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『ぐらんぶる』第1巻 井上堅二(作)吉岡公威(画) 【日刊マンガガイド】

2014/11/30


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『ぐらんぶる』第1巻
井上堅二(作) 吉岡公威(画) 講談社 \590円+税
(2014年11月7日発売)


「このライトノベルがすごい!」1位にもなったライトノベル『バカとテストと召喚獣』の作者である井上堅二が、スキューバダイビングを題材に初のオリジナル原作に挑戦した作品。
作画は『輪廻のラグランジェ ~睦月のメモリア~』などを手がけた吉岡公威。

主人公の北原伊織は大学進学と同時に海沿いの街でひとり暮らしをはじめた男子大学生。
新しく暮らすことになったおじさんの家はダイビングショップを経営しており、その店で集まるダイビングサークルのメンバーとふれあううちにいつしか自分もダイビングサークルに入会。
水が怖くて泳げないはずの主人公が、少しずつダイビングの魅力に目覚めていく。

というあらすじや表紙のイラストだけを見れば本格的なダイビングマンガに思えるが、実際にはすぐに全裸になりたがるサークルの先輩に囲まれて毎晩のように飲んだくれ、気づけば自分も裸になって大学キャンパス内に放置されるという「バカ」展開がひたすら続く。
大学に女子高生美少女ハーレムサークルがないと嘆く同級生とのやりとりも含め、前半はただただ酒を飲んで盛り上がる話ばかり。
ダイビングとは名ばかりで実際にはまったく関係ないギャグマンガなのでは……、と思わせるほどだ。

しかしそんな悪ノリも第4話で大きく変化。
普段はバカ騒ぎばかりしているのにダイビングになると顔つきが真剣になる先輩や、ダイビングのすばらしさを語るイトコの奈々華の影響で、泳げないはずの伊織もダイビングに興味を持ち始める。

イトコの奈々華とその妹の千紗という美人姉妹との間で生まれるであろう恋愛模様も含め、今後の展開が楽しみだ。
1巻は導入部ということもあってギャグ成分が多めだったが、今後はダイビングとギャグの適度なバランスを期待したい。

ひたすら繰り出されるギャグが合うかどうかは人それぞれだが、Web上では第1話が無料公開されているため、まずは一読することをお勧めする。



<文・甲斐祐樹>
IT系ライターながらマンガも大好き。著書は「スマホ&タブレット“二刀流”仕事術。」「Chromecastの使い方」など。個人ブログは「カイ士伝」

単行本情報

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