『図書館の主(あるじ)』第9巻
篠原ウミハル 芳文社 \590+税
(2014年11月15日発売)
御子柴貴生は私設図書館「タチアオイ児童図書館」に勤める児童書専門の司書。マッシュルームカットに黒縁メガネ、ぶっきらぼうで口は悪いが本に関する知識は一流だ。
一度この図書館を訪れたら子どもも大人も常連になってしまうのは、御子柴の力があってこそ。本のセレクトはもちろん並べかたにも独特のマジックが……。そしてリラックスできる居心地のよさがあるのは、読書はかたくるしいものではないという御子柴の想いがにじみ出ているためかもしれない。
来館者が今、直面している悩みや疑問にやさしく解決のヒントを投げかけてくれる。そんな本との出会いを支えているのが、御子柴なのである。
最新巻では、御子柴のもとに公立図書館の勝ち気そうな美人司書が乗りこんできて「タチアオイでは司書という専門職にどんな意識を望む?」と、いきなり本質的な質問を突きつけて……?
また、夢いっぱいの冒険ファンタジー『ピーター・パン』にこめられたメッセージを読みとくエピソードも。
本をどう読むか、本とどうつきあうかの答えはひとつではない。御子柴が優れた“児童書ソムリエ”なのは、本を、そして本の読みかたを決して押しつけることがないからなのだ。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」