『おれはブサメン -猫つづり-』
ゆくえ萌葱 海王社 \815+税
(2014年11月20日発売)
いや~、ブサメン、自らも言ってるけど「理不尽な名をあえて受け入れる俺の器量のでかさ」はハンパないっすっよ!
シュっとした白猫のイケメン(でも超ビビリ)は日々、弐郷高校の女子高生や学校一グラマーな小森先生にエサを貰ったり抱っこされたりとチヤホヤされているというのに、ブサメンはスカートの下に走りこみ、自慢のふぐりを見せびらかしても(セクシーアピール?)、無視されるのがオチという扱いの差にもメゲず、今日もがんばっているわけです。
しかし、後半はなぜかウッカリ「俺がこの縄張りのボスだ」とかハッタリかましちゃったせいで、町内の縄張り争いへと発展し、そりゃもう各種ステキな猫が(そして、濃いキャラの人間も)わんさと出てくるという、猫好きにはたまらん展開に。
この猫の描き分けが、スゴい! 作者のゆくえ萌葱さんはかなりな猫好きなんだろうな~と思われる。
でも、一番驚いたのが、このブサメン、老け顔なだけでまだ9カ月だった! ではなく、『睨めば恋』というBLマンガのスピンオフ作品だった!! ということ。
そっか……ブサメンの男気(?)に意気を感じて男子高生にかわいがられてるのか~。「それにしても男子ばっかだな~」と思っていたら……そういうことか!?(笑)
<文・小山まゆ子>
フリーランスの編集・ライター。美術出版社刊『マンガ背景技法 グリッドで背景を描こう』(常野啓・著/菅野博之・監修)の第2弾にまたライターで参加しております。現在鋭意製作中。