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『山田くんと7人の魔女』第15巻 吉河美希 【日刊マンガガイド】

2015/01/10


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『山田くんと7人の魔女』第15巻
吉河美希 講談社 \429+税
(2014年12月17日発売)


2013年、西内まりや主演のドラマが好評だったうえに、2015年春にはテレビアニメ化が決定している本作。
この第15巻は「通常版」と同時に「DVD付き限定版」も発売されており、収録されているオリジナルアニメには、テレビシリーズと同じ声優陣が出演している。

物語は、朱雀高校の問題児・山田竜が、優等生の白石うららとともに階段から落ちて唇が触れてしまい、気がつくとうららと体が入れ替わっているところから始まる。というのも、うららはキスした相手と身体を入れ替わる能力を持つ「入れ替わりの魔女」だったのだ!
魔女の存在を知った山田は、朱雀高内に7人いるという魔女を探していくことになり、「虜の魔女」「思念(テレパシー)の魔女」「未来視の魔女」……と、異なる能力をもつ魔女たちの存在が露わになっていく。
やがて7人の魔女がそろい、彼女たちは「儀式」によって無力化。一度は校内に平和が訪れた――ように見えたのが第11巻までのこと。

続く第12巻では、山田がうららへの告白に成功、付き合うことになるのはさておき、実質的な新章が開幕。山田の前に、新たなる7人の魔女が現れる。
山田は超常現象部兼生徒会の立場で、元魔女たちとともに再び魔女探しを進めていくのだが、今巻では生徒会副会長で「男」である黒崎仁に魔女の能力が発現! 困惑する山田たちの前に7人目の魔女・託摩類が現れ、しかも超常現象部の仲間である元魔女が、魔女の能力にかかるという事態が起こり……。

学園モノで魔法モノでお色気あり。男性キャラも多いものの、主人公にとってのハーレム要素まで含んだ魅力たっぷりの本作。
吉河美希氏の描くキュートな絵柄や多彩なキャラクターにくわえ、巧みな設定や軽妙な台詞まわし、萌え要素などが作用しあい、本作は細かいギャグを織り交ぜつつも、ストーリーの主軸はブレることなく、広いファン層に支持される作品となっている。

なんといっても本作、魔女の能力発動にキスが必要ってんで、全巻を通じ「私とキスして」「俺とキスしよう」と、あっちこっちでキス、キス、キス! キスの嵐!!
とりわけ山田は、キスした魔女の能力をコピーできる「コピーの男」で、どんな魔女の能力も通用しない“最強のカード(ジョーカー)”という存在。魔女捜しにその能力を生かすためとはいえ、複数のカワイイJK(ときにDK)と日常的にキス三昧。
もうね、それ見るだけでも楽しいって話ですよ!!

すでに第15巻まで刊行しているとはいえ、世界観や人物関係は理解しやすく、ハマること請けあい。未読の人には、アニメの放送開始前にぜひ一読をおすすめしたい。



<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。

単行本情報

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