『カラダ探し』第2巻
ウェルザード(原)村瀬克俊(著) 集英社 \400+税
(2015年4月3日発売)
外界から遮断された夜の校舎に集められ、学校の怪談的な「赤い人」と呼ばれる血染めの不気味な少女に追いまわされ、しがみつかれ、惨殺される高校のクラスメートたち。
グループの全員が殺害されてハイおしまい、かと思いきや、その日の朝から全員が1日をやり直すことに。
そしてまた夜になると閉鎖された後者に同じメンバーで閉じこめられ、繰り返し何度も「赤い人」に殺され続ける……。殺されても殺されてもそのループからは逃れられない!
道具立てに新味はないんだけど、それだけにかえって語り口の洗練と、設定の密度が際立つ良作。怖いとか気持ち悪いとかは当然でそれ以上に、おもしろい!という感じ。
最新刊では、とうとう「赤い人」の正体や惨劇の背景が徐々に明かされ始める。
謎が紐解かれるのと並行して、仲間のうちに「赤い人」と同じ狂気を帯びる者が現れるなど、より複雑な理不尽展開も。
謎が深まっていく恐怖感とあわせて、主人公の高校生たちの友情が極限状態で試される緊張感が本作の最大の読みどころ。
仲違いした後に仲直りすることを雨降って地が固まる、とか言うけど、じゃあ血の雨が降ったらどうなるの?
「少年ジャンプ+」で無料で試し読みができるので、怖いのや血が飛び散るのが大丈夫な人はぜひ挑戦してみてほしい。
特別掲載『カラダ探し』!
現在、「このマンガがすごい!WEB」でも2話まで無料公開中!!
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
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