『カラダ探し』第2巻
ウェルザード(作) 村瀬克俊(画) 集英社
(2015年4月3日発売)
この『カラダ探し』は、脱出不可能となった学校を舞台にしたサバイバルホラー。
流行のジャンルのなかの1本ではあるのだが、何がスゴいって絵が怖い。怖すぎる!
このテの作品は、まず第一に絵のインパクトが大事だと思われるのだが、それに関してはカンペキ! 作画を担当する村瀬克俊は、これまで『K.O.SEN』など格闘技やサッカーなどスポーツ系の作品を中心に発表してきたマンガ家。
……と聞くとホラーはジャンル違いと思われるかもしれないが、さすがアクション描写はお手のものだけあって“静”から“動”へのメリハリがすばらしい。
たとえば第1話のラストは、いきなりヒロインの明日香がバラバラに引きちぎられるという衝撃の展開なのだが、その躍動感(?)たるや、思わず二度見してしまうほど。
いい感じに肉塊が舞ってます、舞ってます!!
それでいて、最初に紹介したシーンのような“静”の怖さもトラウマ級。
このテンポで「これはアカン怖さなのでは……?」と思いながらも、つい続きを読んでしまうのである。たまに「見るんじゃなかった……」というぐらいヤバいときがあるんですけどね!
絵のインパクトをお伝えしたかったのでストーリーが後回しになってしまったが、もちろんお話そのものも相当怖い。
舞台となるのはとある高校。学校には「赤い人」という怪談が伝わっており、まず「赤い人」を見た者は、校門を出るまで振り返ってはいけないということ。
そして、もし振り返ったらカラダを8つに分けられて校舎のどこかに隠されてしまうという──。
そんなある日、明日香はいきなりクラスメイトの遥に「私のカラダ探して」と、ただごとではない雰囲気でお願いされる。
そして同じお願いをされた同級生6人は、気がつけば夜の学校から脱出不能という状況。そこに「赤い人」が現れ……というストーリー。
この恐怖の状況はカラダを全部見つけるまで続けられ、失敗して全員が死亡した場合はまた同じ日が朝から繰り返される。その“無限ループ”のなかで何度も殺され、恐怖と苦痛を味わいながら、しだいに謎を解明する糸口が見えてくるのがまたおもしろい。
「次の今日」に希望をつなぐために何をするべきなのか考えながら、ときには計画がすべて瓦解したり、あるいは命とひきかえに光明が見えたり、ループといってもどう転ぶのかはわからなくなっているのだ。