さらに、男子3人女子3人のメンバーが単なる仲良しグループではなく、どんどん友情が崩壊していくのも見どころのひとつ。そして女子だけで固まって、意外とそこでは新たな友情が育まれたり、だんだん「どうせ死んでもまたやり直し」と開き直りはじめ、高校生としては大フンパツな感じで3000円のステーキを食べちゃうくだりなど、高校生らしさが描けているあたりも魅力のひとつ。
また、キャラの立て方もじつに丁寧。
とくにとりえがないかと思われた明日香が、ここぞという場面でがんばりを見せたり、あるいは一番やる気のなさそうな留美子が、ある日「立派なのは口だけ」と底の割れた翔太の「男を立てる」ためにあえて犠牲になるなど、「うわ、こんなの好きになってまうやろ!」というキャラ描写でも読ませる。
もちろん、逆に「コイツ、最低か!」というキャラも、それはそれでグッド。いい人ばかりじゃおもしろくないですからね!
そんなワケで、トラウマ級の怖さと謎解きのおもしろさ、さらに高校生らしい友情が絶妙なバランスで盛られたこの作品。“ループもの”というスタイルにもうまくハマっている。
原作の小説は完結しているのだが、先に結末を読んじゃうか、あるいはマンガの続きを待つかはじつに悩ましい。
それぞれメディアの特性を活かしているので、いずれはどちらも読むのがオススメですけどね。
特別掲載『カラダ探し』! 現在、無料公開中!!
『カラダ探し』著者のお2人から、コメントをいただきました!
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。