『異物混入』
駕籠真太郎 青林工藝舎 \1,100+税
(2015年3月30日発売)
『超伝脳パラタクシス』や『登校途中の出会い頭の偶然キスはありうるか?実験』で知られる鬼才・駕籠真太郎の最新短編集。
あいかわらず無駄なエログロナンセンスギャグを病的に乾いた筆致で描いている。
巷で話題の壁ドンを、女子を引きよせるイケメンによる蟻地獄のような生態としてとらえた冒頭の作品から、「頬っぺたについたお米粒をとる」というほほえましい行動を猟奇的なおぞましさへと発展させる作品まで、ありふれたモチーフからよくぞここまでヒネるものだという怪作揃い。
グロいといえばグロいのだけれど、比較的精神的なダメージは控えめですむテイストなので、駕籠真太郎初心者の方にも安心してオススメできる。
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
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