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5月28日はゴルフ記念日 『風の大地』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/05/28


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『風の大地』第64巻
坂田信弘(作) かざま鋭二(画) 小学館 \552+税


1927(昭和2)年のきょう、第1回「全日本オープンゴルフ選手権大会」が程ヶ谷カントリー倶楽部で開催された。
日本のプロゴルフメジャー大会のひとつであり、現在では秋期(9月~10月)に行われている。

栄えある第1回の優勝者はアマチュアの赤星六郎。プロ入りこそしてはいないが、1924(大正13)年に「パインハーストゴルフクラブスプリングトーナメント」で優勝する快挙を達成している。
もちろん、この赤星が日本人初の海外トーナメント優勝者だ。

1994年、スポーツ用品メーカー・ミズノの直営店「エスポートミズノ」は、第1回「全日本オープンゴルフ選手権大会」の開催日を「ゴルフ記念日」に制定した。

てなわけで、今回はゴルフマンガ。
『プロゴルファー猿』『あした天気になあれ』など数多の名作あれど、「ビッグコミックオリジナル」にてギネス級の超長期連載を続けているのが『風の大地』だ。連載スタートは1990年。その歴史は四半世紀に渡っている。

物語は京都大学を中退した沖田圭介が24歳にして初めてクラブを握り、鹿沼カントリークラブで研修生活を送る日々からスタートする。
父親が亡くなったことで生活が困窮し、家族のために大金を稼ぐべく、プロゴルファーの道を選んだのだ。

プロゴルファーになるような連中は、10代のころから英才教育を受けているケースがほとんどであり、それまでゴルフ未経験だった人間が24歳にしてプロを目指すことなど無謀の極みである。
だが沖田は、恵まれた体格と周囲のサポートのおかげで類まれな才能を開花させ、わずか1年でプロテストに一発合格。プロ入り後はタイオープンで初優勝をはたすと、破竹の快進撃を開始する。

序盤の10巻あたりまでは、負けん気の強い沖田が喜怒哀楽をあらわにしながら、切磋琢磨するハツラツとしたスポ根モノであったが、兄と慕う鹿沼CCの料理人・宇賀神の死など様々な試練を乗り越えていくうちに、しだいにポーカーフェイスの口数の少ないプレーヤーになっていく。

連載が長期化するのと反比例するように、作中の時間経過は極端に遅くなっていく。なにしろ連載開始から20年以上もの間、沖田は20代のままだったのだ。ところが昨年、ある悲惨な事件をきっかけに沖田がゴルフから離れることになり、7年もの月日が一瞬で流れることになる。
延々と「26歳の青春」につきあってきた読者にとっては、衝撃的な出来事であった。

イッキに33歳となった沖田が、完全復活を迎えるのか否か。
連載25年目にして急展開を迎えた『風の大地』から目が離せないし、ここから10年は連載が続きそうな雰囲気である。



<文・奈良崎コロスケ>
マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。映画『新宿スワン』(園子温監督/5月30日公開)の劇場用プログラムに参加します。
「ドキュメント毎日くん」

単行本情報

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