『ライジングインパクト』第1巻
鈴木央 集英社 \690+税
1985年8月10日、全米女子アマチュアゴルフ選手権で、日本人の服部道子選手が、史上最年少(当時)にして、日本人としては初となる、優勝を飾った。
鈴木央の連載デビュー作『ライジングインパクト』は、プロ野球選手に憧れていた少年のガウェイン・七海が、女子プロゴルファーの西野霧亜に出会ったことで、ゴルフという競技に魅せられていく物語。
本作は、1998年に連載が始まり2002年に完結した、長期連載作品なのだが、じつは1999年に一度、いわゆる「短期打ち切り」という形で連載終了している。
ところが、終了後に熱心なファンから続編希望の声が高まり、その反響の大きさから、わずか3カ月後に本誌で連載再開が決定したという、「週刊少年ジャンプ」史上、かなり異例の作品である。
本作の連載終了後、鈴木は「週刊少年サンデー」で『ブリザードアクセル』『金剛番長』の2作を連載、「週刊少年チャンピオン」で『ちぐはぐラバーズ』を連載、そして現在は「週刊少年マガジン」で『七つの大罪』を好評連載中。週刊少年誌4つを制覇した、近年では珍しい漫画家となった。
『七つの大罪』は、「このマンガがすごい!2014」オトコ編で、5位にランクイン。4月にアニメ化も発表され、今もっとも勢いに乗っている作品のひとつ。
まだ作者の原典のひとつである『ライジングインパクト』を未読の『七つの大罪』ファンも多いと思うので、この機会に読破してみてはいかがだろうか?
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
Twitter:@mikitty116