『籠球者(バスケモノ)』
竹添裕史 徳間書店 \626
(2014年4月19日発売)
「コミックゼノン」にて短期集中連載されていたバスケマンガ。竹添裕史にとって本作が初コミックスになる。
晴南高校バスケ部に所属する森永ツトムと森永タカシは双子の兄弟。兄のツトムは荒くれ者、弟のタカシは冷静沈着と対照的なタイプだが、2人は息のあったプレーでNBAを目指していた。
だが、突如訪れたタカシの死によってツトムの夢は音を立てて崩れ去っていく……。
自暴自棄になった主人公がチームから孤立するも徐々に立ち直り、チームメイトとの友情も育み始めるといった王道の展開ではあるが、勢いと熱気が“これでもか”というほど描線から伝わってくる。
冒頭でツトムがNBA選手になったことが示唆されているように、本来は壮大なストーリーが用意されているのだろう。
ツトム以外のチームメイトたちが存在感を見せ始めたところで終幕を迎えたので、続編を楽しみに待ちたい。
<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
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