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7月30日はプロレス記念日 『KIMURA 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/07/30


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『KIMURA 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』第5巻
増田俊也(作) 原田久仁信(画) 双葉社 \650+税


本日7月30日は、日本プロレス界の父・力道山がみずからの団体である“日本プロレス協会”を結成したことにちなみ、“プロレス記念日”となっている。
協会設立は1953(昭和28)年の同日。当時のテレビブームとあいまって、力道山のプロレスは大衆を熱狂させていく。
ブラウン管のなかにたたずむ力道山、そのかたわらにはタッグパートナーである木村政彦の姿があった。「日本柔道史上最強」といわれた男だ。

当時、人気絶頂だった力道山と木村政彦。互いに互いの背中をあずけあったふたりの男は、やがて今もなお様々に語り継がれる伝説的な戦いを繰り広げることとなる。
1954(昭和29)年12月22日蔵前国技館、人呼んで“昭和の巌流島決戦”。人気、実力ともに日本一を懸けて2人が戦った試合だ。しかしこの戦いは思わぬ結末を迎えることになる。

“昭和の巌流島決戦”に至るまでの木村の半生と、試合の顛末を描いたのが、『KIMURA 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』だ。
じつはこのタイトルマッチは、あらかじめ引き分けと決められていた、つまり台本の存在する試合だった。しかしゴングがなると、力道山は一方的に木村を叩き潰しにかかる。意表をつかれた木村は惨めな姿を世間に晒すこととなってしまう。
パートナーとして戦い続けてきた力道山の裏切りを許せなかった木村は、短刀で彼を殺そうと思い立つが……。

増田俊也が手掛けた渾身のノンフィクションを、プロレスマンガの第一人者である原田久仁信がマンガ化。
なぜ力道山は木村をマットに沈めたのか。なぜ木村は短刀を手にしていたのか。
そしてなぜ、彼は力道山を殺さなかったのか。
マンガ版では木村の半生とディテールをさらに掘りさげながら、より劇画的に男の生き様を描き出している。
プロレス記念日のこの日、闘うことでしか生きられなかった男たちに思いをはせてみてほしい。



<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。編集を務める映画誌『ぴあMovie Special 2015 Spring』が3月14に発売に。映画『暗殺教室』パンフも手掛けています。

単行本情報

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