バトルマンガといったって、男同士の熱い戦いばかりじゃない!
女の子だって戦いたい!いや、戦ってほしい。
可憐な美少女から、セクシーな美女まで、ときには血と涙を流しながら、悲壮な覚悟をもって戦う彼女たち……。
そんな彼女たちの切なくも美しい姿を、見るのだけが日々の唯一の楽しみという人も多いはず(!?)
今回は、そんな「女の子が戦うマンガ」に強い思い入れを持つ、ライターのたまごまごさんに、オススメの3作品をうかがった。
[※2013年から2014年8月に発売されたマンガ単行本のなかから選出をお願いしています。]
たまごまごさんイチオシの3作品!
『シェイファー・ハウンド』 かたやままこと(作) 吠士隆(原)
『シェイファー・ハウンド』第3巻 かたやままこと(作) 吠士隆(原)
白泉社 かたやままこと(作) 吠士隆(原) \648+税
(2014年2月28日発売)
「女たちが容赦なく殺し合う」マンガです。
第二次世界大戦後期のドイツ軍を描いた作品だから、まあ当然殺し合いにはなります。ただしメインで描かれる女性のみの小隊が、消耗品であると自称し、死ぬことを恐れないからおもしろ……手に負えない。ガリガリ敵を殺すし、味方もあっさり死んできます。
小隊長になった青年ユートが、死なせないように奔走するも、猟犬化した彼女たちはそうそう止められない。特に副隊長のカヤの、兵は戦闘の道具、と捉えて戦いに突っ込んでいく様子が、残酷にしてワクワクしてしまうから困っちゃうんだなあ。
昨日一緒に酒を酌み交わしたやつらが、目の前で死んでいく……不謹慎ながら、死んでいく女の子たちが見たかったら、読んでほしい作品です。
『デストロ246』 高橋慶太郎
『デストロ246』第4巻 高橋慶太郎
小学館 高橋慶太郎 \552+税
(2014年7月18日発売))
「一方的に女たちが蹂躙する」マンガです。
出てくる女性キャラはほとんどが殺し屋。ものすごい勢いと技術でひらりひらりと殺しまくります。ただし死ぬのは男だけ。女たちは死にません、だって化け物みたいに強いんだもの。
『ヨルムンガンド』で重厚な物語を描いた作者、この作品も闇に蠢いている人間の思惑が絡み合い、物語性は非常に高いです。ただ、それよりなにより「つええ女見てえ!」という欲望にあふれていて、じつに気持ちいい。ページをめくると、飛んだり跳ねたり、殺したり殺したり殺したりする少女たちが楽しめます。
セックスも女同士でするこの世界、男いらないんじゃないの?
息をするように男たちを殺していくサディスティックなマンガ。少女暗殺者を堪能したい欲求を、存分に満たしてくれます。
『鉄風』 太田モアレ
『鉄風』第6巻 太田モアレ
講談社 太田モアレ \600+税
(2014年6月6日発売)
「相手の心を殺す」マンガです。
女性総合格闘技の世界をシビアに描いたこの作品、基本的には格闘技のなんたるかを丁寧に描いてはいます。ところが、ほかの格闘技マンガにある「努力・勇気・勝利」がすっぽり抜けているんです。ある一点を越えて強くなるには、どこかぶっ壊れてないと無理だ、と言い切ります。
特に馬渡ゆず子は、ほかに類のない不思議なキャラ。一見、少年マンガの主人公的な、努力と根性のポジティブな女の子。いつも笑顔で「楽しいね!」と言えちゃうタフネスな心を持った存在です。
しかし、ポジティブもタガが外れると、正直気持ち悪い。彼女はほかの選手が努力と涙で培ってきた選手人生を、いとも簡単にボッキリ折り、なおかつ笑顔で笑います。壊れた熱血ヒロインって、本当は怖い。
頭のネジの吹き飛んだ女たちが、一線を越えて相手の心を笑顔で壊しにかかる様は、身体に怪我を負わせるよりも強烈です。
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