『超人戦線』第4巻
青山広美(作) 山根和俊(画) 秋田書店 ¥562+税
(2015年7月17日発売)
ある日突然、ささやかな超能力を与えられた普通の人間と、高い戦闘力を持つ特殊な職業の人間(ただし超能力者ではない)の、異種すぎる格闘技戦を描いてきた本作。
これまで、謎の女・FEE(フィー)がマッチメイクを行ってきた理由はいっさい明かされず、ひたすら過激で凄惨なバトルが行われてきたわけだが、ついにその目的が明かされる!
……まぁ、非常にぶっちゃけた言い方をすれば、「もっとヤバい奴らと戦うための予選だった!」という、少年マンガの超王道展開ではあるのだが、気がつけばこういうマンガが得意だったはずの「週刊少年ジャンプ」ですら、ここまでド直球な展開は珍しいぐらいの今日このごろ。こういうベタな「第2部」への突入は、むしろ大歓迎! と思う人も少なくないんじゃないでしょうか。
もちろん、ただベタなだけじゃなく、作中の登場人物にしてみれば初顔合わせとなるここまでの生き残り組同士のやり取りは見もの。
およそ社会的には不適合者と思われる凶暴なオッサンから、性格的にはまったく戦闘向きではない女子高生まで、個性豊かにもほどがあるメンバーの足並みがそろうわけもなく、なかには戦闘を放棄して帰ってしまう者まで出る始末。
対する「MATE」の敵集団(全員シルエットで登場という、うれしくなるほどベタな表現!)は、どうやら
で、この新しい殺し合いの意味は? というのは、FEEが「おもしろいからよ」と開き直って明言!
やーすばらしい!!!
タガの外れたキャラたちの意表を突きあう規格外のバトルを、今後も注視していこう。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。