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『兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿』第4巻 木々津克久 【日刊マンガガイド】

2015/11/08


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿』


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『兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿』第4巻
木々津克久 秋田書店 ¥429+税
(2015年10月8日発売)


赤城蛍は、父・母・弟・妹2人の大家族で暮らす、しっかり者の高校1年生。
兄を失いはしたものの、比較的普通の暮らしを送ってきた彼女だったが、ある日を境に、警察官の格好をした骸骨の霊が見えるようになってしまう。

霊の正体は、2年前に失踪した彼女の兄・圭一。断片的な記憶と生前同様の正義感を持つ幽霊と、心優しく利発な女子高生――こうして生まれた、おかしな「兄妹」コンビは、何かに導かれるかのように、次々と不思議な事件に遭遇しては、意外な真相を導いていく……。

奇抜な初期設定から、極めて理知的に物語を展開する渋い作風で、多くの根強いファンを持つ木々津克久が、快作『名探偵マーニー』の完結直後にスタートさせた本作も、はや4巻目。

代々警察官として活躍する家系に生まれ、自身も警察官になることを目指して探偵活動に精を出す緑川楓や、圭一の生前の恋人で、彼の巻きこまれた事件の真相を追うキャリア組警察官の桐島静香など、準レギュラーも次第に増え、物語の調子はぐいぐいと上昇中だ。

この巻でも、桃園霧子というインパクト抜群の新キャラクターが登場。
蛍の通う聖マルス学園の先輩であり、底の知れないほほえみをたたえた彼女は、なんと……。

世界の条理をねじ曲げるほどの強大な力を秘めた存在も登場し、ますます物語の行く末ははかり知れなくなってきた。
各エピソード単位の端正な味わいと、シリーズを貫く縦糸の複雑なおもしろさ。どちらも存分に楽しんでほしい。



<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei

単行本情報

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