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11月10日はエレベーターの日 『まっすぐ天へ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/11/10


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

11月10日はエレベーターの日。本日読むべきマンガは……。


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『まっすぐ天へ』第1巻
的場健(著) 金子隆一(監) 講談社 ¥514+税


遡ること125年前(明治23年)の今日、浅草に完成した12階建ての展望塔「凌雲閣」にて、日本初の電動式エレベーターが設置された。これを記念して、日本エレベーター協会では11月10日を「エレベーターの日」と定めている。

もはや我々の生活と切り離せないほど重要な存在となっているエレベーター。
未来に目を移すと、想像を絶するスケールのエレベーターが建造されようとしている。
それが軌道エレベーターだ。

軌道エレベーターは静止衛星と地上を繋ぐ昇降機。これを使えばロケットを飛ばさずに宇宙へ行くことができる優れものである。
つい先日オンエアを終了したばかりのアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』にもキャピタル・タワーという名で登場したので、覚えている方も多いだろう。

そんな軌道エレベーターにスポットを当てたのが、2003年から2004年にかけて「イブニング」で連載された的場健の『まっすぐ天(そら)へ』だ。JAXAならぬJASDAで衛星の打ち上げなど宇宙開発に携わる飛騨翔一(兄)と、大手ゼネコンに勤める飛騨健二(弟)。この2人がタッグを組み、日本主導で軌道エレベーターを実現しようと奮闘する。

残念ながら1巻だけで、続刊は出ていない。
いわば早すぎた『宇宙兄弟』ともいえる作品だが、その意欲的な内容は今もなお色あせていない。
読めば読むほどロケット事業には限界があることがわかり(コスト面、安全面に大きな問題があり、墜落するたびに有害物質をまき散らす)、安全かつ低予算で宇宙を往復できる軌道エレベーターの必要性が高いことがわかる。
われわれ庶民にしても、低料金で宇宙旅行を楽しめるビッグチャンスが到来する。

2012年には大林組が2050年を目標に宇宙エレベーター(軌道エレベーター)の建造構想を発表。
あと、たったの35年……。そう思うと夢は広がるばかりだ。『まっすぐ天へ』の第1部終了から10年以上の時が流れ、ずいぶんと状況も変わった。
だからこそ、第2部が読みたい。的場先生、首を長くしてお待ちしております!



<文・奈良崎コロスケ>
マンガと映画とギャンブルの3本立てライター。中野ブロードウェイの真横に在住し「まんだらけ」と「明屋書店」と「タコシェ」を書庫がわりにしている。

単行本情報

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