日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『花のズボラ飯』
『花のズボラ飯』第3巻
久住昌之(作) 水沢悦子(画) 秋田書店 \900+税
(2015年11月16日発売)
第1巻発売と同時に大反響を巻き起こし、『このマンガがすごい!2012』オンナ編第1位を獲得した『花のズボラ飯』。
単身赴任の夫・ゴロさんのいぬ間に、ゆるく楽しく暮らす主人公・花ちゃん。お掃除も片づけもそこそこに、ひとり暮らしを満喫中。
寝たいときに寝て、食べたいときに食べる。ああ、思うように暮らす楽しさよ。
「作ってあげたい」より「今すぐ、自分が食べたい」。
「おしゃれな食卓」より「ハラペコにガツンとくる一皿」。
そして、「おいしい」より、「うまい」より、「うんま~~っ」!
どうですか。どうですか。花ちゃんってば、人生の王様! うまいものを食べる以上に幸せなことなんて、この世にないね! と言いきっちゃうような力強さ。めっちゃ痛快、めっちゃお腹空く! ゆるゆる暮したって、腹が減るから人間だ! さぁ今日もうまいもの食うぞ! という気持ちが、いやがおうにも盛り上がる。
ああ、『花のズボラ飯』、待っててよかった第3巻!
冷蔵庫が空っぽでも、パスタとにんにくがあったら“あの味”。そこにバジルと柚子をちょい足しして『ユーズリ・バージル・ペペロンチーノ』。
鯖水煮缶と刻みネギを白いご飯にのっけて、お醤油たらりで『鯖の水煮缶丼』。
豚バラのお出しがじんわり染み出た『ダイ・ハード茶漬け』……。
花女史、快食ぶりを見せつけて曰く
「もうダイエットなんて貧相な考え蒸発しちゃうわよ あーいい気持ち!!」。
そうだそうだ! いざゆかん、ズボラ飯道。
花ちゃんの幸せそうな顔が最高の道しるべになる。
<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。