日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『歴女るの!』
『歴女るの!』第1巻
洋介犬 泰文堂 ¥600+税
(2015年12月12日発売)
主人公・進藤ハチヤには姉がいる。
趣味も取り柄もなく、おもしろくないと他人に言われてしまう女子高生、進藤サキ。
そんな地味めの姉の秘密を、ある夜の神社の境内でハチヤは目撃してしまう。
どうやら仲間と戦国武将ごっこの最中で、サキは手作りらしき「大一大万大吉」の文字入り兜に軍配を持ち、大声で石田三成の名乗りをあげているのだ。
見られたサキは動転するが、ハチヤとしては初めて見る「おもしろい」歴女・サキの姿にニヤニヤ。
一方のサキも、弟に喜んで(?)もらえたことがうれしくて、これを機にいっそう歴女ぶりに拍車がかかっていくのだった――。
このマンガに出てくる歴女たちはじつにパワフルかつ行動的、しかも武将たちについて語る語る語る。
好きが高じて歴史研究部――通称「歴女部」を発足し、弟・ハチヤも引きずり込んで、毎日歴史ネタで大盛り上がりだ。
またその歴史ネタがとにかく笑えるのだ(個人的には第11話の丹羽長秀ネタに、本気で噴き出してしまった)。
歴史知識が全然なくても充分楽しいし、しかもその話ごとに「歴史ウンチク」コーナーもついていて、話題になった武将をさらによく知ることができる。
つまり読んでいるうちにだれでも、登場する歴女たちのごとく歴史好きになれるかもしれないというおまけ付きなのだ。
また楽しいのは歴史ネタだけでなく、姉・サキのブラコンぶり、弟・ハチヤのシスコンぶりも見どころのひとつ。
さらには弟・ハチヤのことを気にかける女子も登場してきて、これは今後の展開が非常に気になるところ。
さて、歴女部には真田幸村(信繁)びいきのお嬢様・近衛まゆきがいる。
今年のNHK大河ドラマ『真田丸』は幸村の話。
まゆきを始め、サキとハチヤたちも交えて、歴女部一同とぜひ一緒にドラマを見てみたい。
どれだけ熱くあれこれ語ってくれるのかと、ひそやかに夢想する今日このごろなのだ。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」