日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『盤上のポラリス』
『盤上のポラリス』第3巻
木口糧(作) 若松卓宏(画) 講談社 ¥429+税
(2015年12月17日発売)
長崎の離島に住む小学生・椿一兵の夢は、勇者になって冒険すること。
高学年ともなるとそんな夢を子どもっぽいとバカにされたりして、口に出すこともなくなっていたけれど……。そんな一兵が、チェスに“冒険の世界”を見出した!
あっという間にチェスの世界にのめりこみ、同い年の天才少年・灰道レンにも認められた一兵はチェス世界一「グランドマスター」を目指すと宣言!
しかし、練習相手もいない島にいたのでは本気でチェスの道を歩むのは無理だと考えた一兵は島を離れ、長崎の全寮制の中学に入学することを決意する。
というわけで第3巻はいよいよ中学編に突入。入学早々、新入生ながら廃部寸前のチェス部の立てなおしに奔走する。
今やレンの通うチェス教室にも日参できるわけで、部活にこだわる必要はないのだが……ここにもいろんな仲間とチェスを楽しみたい一兵らしさがにじみ出ている。
チェスのルールはわからなくても、登場人物それぞれの戦い方が感じられて楽しめる作品。
だけど、ルールを覚えればもっとおもしろい!? 単行本では各話の間に基本ルールや、簡単な攻め方クイズが織りこまれているので、ぜひトライしてみよう。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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