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『プランダラ』第3巻 水無月すう 【日刊マンガガイド】

2016/02/16


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『プランダラ』


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『プランダラ』第3巻
水無月すう KADOKAWA ¥580+税
(2015年11月21日発売)


かつて「廃棄戦争」と呼ばれた大戦争後の世界、アルシア歴305年。
この世界は身体のどこかしらに刻まれた「数字」の多寡が人間の貴賤を決めている。
すなわち数値の高い人間は低い人間に命令をくだせるし、数字が小さな人間は大きな人間に逆らうことができない。
その数字はその者が何か「肯定するような言葉」を得るたびに加算され、失うたびに減算されていく。
カウント・ゼロになった者は足元に生じた暗黒に飲まれる――“アビス送り”となる。

山奥に育った少女・陽菜は、アビス送りになった母の遺言に従ってひとり「伝説の撃墜王」を5年も捜し求める旅のなかで仮面をかぶった謎の変態剣士・リヒトーに出会う。

『そらのおとしもの』で一躍ファンタジーエロコメの雄となった水無月すうの最新作は、絶対的な「数字」が支配する世界を舞台で「-999」というありえないカウントを持つ男・リヒトーと陽菜の冒険の旅を描破する。

カウント・ゼロでアビス送りになるはずのリヒトーがなぜ地上で生きていられるのか? 撃墜王とはそもそもいったいなんなのか? といった疑問を少しずつ解きあかしながら展開する最新第3巻では、街ひとつを焼きつくすほどの力を持つ「アビスの悪魔」が登場する。
その正体は、なんと我々も目にしたことがある近代兵器!?

異なる暦を持つ世界が一気に“こちら側”に近づいたところで、リヒトーはそれまで反目していた軍部の人間・ジェイル・マードック中尉とはからずも共闘することになる。
ひょうひょうとしながらも弱い者たちの悲しみを背負って戦う「閃撃」の撃墜王と、おのが信念を鋼鉄に換えて射ち出す「アイアン・ジェイル」が、ついにアビスの悪魔を封じようとした瞬間、リヒトーたちの前に新たな脅威が出現した。

それは、廃棄戦争時代にリヒトーの部下として大量殺戮に及んだもうひとりの撃墜王――「追撃」の撃墜王こと園原だった。
自分に固執する園原の残酷な言動に、ついにみずからの正体が「プランダラ(略奪者)」であると明かし、本当の牙をむきだしたリヒトー=離人。
園原さえも止めることができないリヒトーの“暴走”を食い止めるのはだれなのか?

謎が謎を呼ぶ第3巻。既巻に比べるとほのぼの&えっち成分はやや控えめだが、それ以上の感動があります!





<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。『別冊宝島2394 仮面ライダー』「仮面ライダードライブ公式完全読本」もやってます。

単行本情報

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