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『日常』第10巻 あらゐけいいち 【日刊マンガガイド】

2016/02/03


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『日常』


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『日常』第10巻
あらゐけいいち KADOKAWA ¥580+税
(2015年12月22日発売)


ある時はシュールギャグといわれ、ある時はハートフルといわれ、ある時はポストモダンといわれた、独特な笑いを生み出し続けたこのマンガも、ついに最終巻。

ゆっこ、みお、麻衣ちゃんの女子高生3人、ロボットのなの、製作者のはかせを中心に、今回も非日常な日常が繰り返されている。

永遠に続いてもおかしくないと思われた日々は、大人に向かって流れはじめた。
みおが描いたまんがを雑誌社に送ったところ、編集部の人の目にとまったのだ。

詳しい流れは描かれていない。
ただ、のちにみおが漫画家になり、麻衣は保育園の先生になったのがわかる。ゆっこは、なんと海外に!(何しに?)

大人になっても、なんだかんだで仲よしの3人。
最終回では、成長したはかせの様子も見ることができる。

彼女たちはタイムカプセルに、未来の自分あての手紙を入れて埋めた。
時間は過ぎ、みんな成長し、高校生の日常は終わりを告げた。

しかし、年を経たからといって、「日常」が失われるわけではない。
ひとりだけ年を取らないロボット少女・なの。彼女は、手紙にこう書いた。

「こんな楽しい日々が変わらず続いていると嬉しいです」

タイトルの「日常」が何を指しているのか、1巻の時点ではわかりづらかった。まったく日常的な出来事が起きないからだ。
しかし今なら「仲間と共有する時間」そのものなのがよくわかる。
かけがえのない、というほどでもない。最終巻も、湿っぽさがまったくない。

思い出してみて、どうでもいい時間。
淡々と、でもちょっと楽しく、日常として続いていく。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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