日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『りゅうおうのおしごと!』
『りゅうおうのおしごと!』第1巻
白鳥士郎(作),こげたおこげ(画),西遊棋(監),カズキ(監修),
しらび(キャラクター原案) スクウェア・エニックス ¥533+税
(2016年1月13日発売)
『のうりん』でおなじみの白鳥士郎のライトノベルが原作。
原作のコミカライズというよりはメディアミックス展開で、ライトノベルの発売とほぼ同時にマンガの連載も開始されている。掲載誌は「ヤングガンガン」だが、「ガンガンONLINE」でも月イチで掲載している。
主人公の九頭竜八一は、中学生棋士のうえ、わずか16歳でプロ最高峰・竜王のタイトルを奪取。
前途洋々の天才かとおもいきや、その後公式戦11連敗を喫し、勝率三割の竜王としてネットで叩かれまくっている。
そんななか、竜王戦が開催された旅館の娘・雛鶴あい(9歳)が弟子入り志願で八一のもとにやってくる。
まあ、あらすじ的なものを再確認してみるとけっこうマンガチックというか、ファンタジーな感じではあるが、実際に将棋界にあった話をベースにしているところもあり、あながちファンタジーとも言いきれない。
将棋の世界はいろいろ現実離れしていて本当に恐るべし。
将棋に関する監修も関西若手棋士ユニットの「西遊棋」がおこなっているので、しっかりしている。
弟子志願のあいが9歳にしてはちょっと幼女すぎる感はあるのだが、そこはファンタジーかも。
結局、第1巻では八一の絶不調は克服できず、あいが今後棋士としてどう育っていくのかもまだわからない。しかしながら、今後の展開をすごく期待させてくれるのは事実。
ちなみに、あいが八一の姉弟子に言った「だらぶち 方言」はさっそくググッてみましたよ。
<文・岡安学>デジタルモノなどのガジェット系を中心に雑誌やWebで活動するフリーライター。元ゲーム誌編集者で、ゲームやアニメ、マンガなどのメディアも守備範囲。ソフトとハードのどちらもこなす。現在、生活総合情報サイト「オールアバウト」にてデジカメのガイドも務める。