日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『彼女の囀る声 黒咲練導作品集2』
『彼女の囀る声 黒咲練導作品集2』
黒咲練導 白泉社 ¥880+税
(2015年12月25日発売)
『放課後プレイ』等々、全ページすべてフェティッシュ全開という作風で読者を魅了し続ける黒咲練導の最新単行本にして短編集。
異様に細長い目、長い首、細い腰、強調された大きな尻、あるいはベタ1色の髪の黒、唾液、汗……
いわゆる一般的なうまさ、キレイさ、かわいさからはかけ離れた絵柄であって、もはや異形と言ってもいいくらいなのに、そんな理屈を通り越し、感覚直結でエロさを感じさせる。
描き手の女性に向けたフェティッシュあふれる視線が、そのまま絵になって現前している感じ。なんてエロい目線なんだ。
お兄ちゃんに言い寄る妹を描いた「mine」もエロいし、ジムで汗だくになった筋肉娘が描かれる「トレーニング ジャム」もエロいが、そもそも、単に3人娘が普通に会話しているだけの「それゆけ楽園ちゃん(仮)」ですらエロい。
たいへんけしからんので、紳士淑女のみなさまはこぞってお読みになられるといいと思われます。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas