『drop』
紗織 集英社 \432
(2014年6月25日発売)
かなりのドジで、周囲の人々にもドジな行動から迷惑をかけ続けている、高校1年生の斉藤雫。
彼女はある日、橋の上ですれ違った男子・弓彦を巻き込んで、川へと落ちてしまう。
ドジのお詫びに何でもするといった雫だったが、なんと弓彦からは「彼女になってほしい」という言葉が。これが誰にも言えない、恋の始まりになるのだったが……。
冒頭、ドジな女の子が初めて恋をした明るい恋愛模様かと思わせつつ、読み続けていくと、じつは昼ドラのごとく、ドロドロとした人間模様が展開することに気付かされる。
たとえば雫の親友・絵麻は、恋愛において嫉妬から相手に制裁を加えるなど、ちょっとコワイ行動を起こすキャラクター。そして、弓彦の甘い笑顔の裏にも、とある秘密が……。
だが、そこに恋愛未経験で純粋な主人公・雫が加わることで、重い空気が中和され、誰にでも読みやすい恋愛マンガに仕上がっている。
単行本には表題作以外にも、2作品が収録されており、どちらも読みごたえ十分。
作者の次回作にも期待したい。
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
Twitter:@mikitty116