『あかしや銀河商店街』第2巻
樋口大輔 幻冬舎 \680
(2014年6月24日発売)
サッカーマンガ『ホイッスル!』の作者・樋口大輔の新作が、この『あかしや銀河商店街』。驚くほど温かく前向きで、どこまでいってもピュア。読者の心のドロドロを浄化してくれる、そんなマンガだ。
主人公は、ちょっとおバカだけどまっすぐな性格で、商店街の老人たちからも慕われる14歳の中学生・星野陽太。
彼の家に、他星系から来た謎の少女・うみが居候を始めたことで物語が動き出す。
さまざまな異星人が現れては、学校や商店街で騒動を起こす。その騒動の解決とともに、結果的にシャッターだらけの商店街が活性化していく……という構成がおもしろい。
最新2巻では、閉店寸前の花屋に後継者ができたり、商店街に新名物が生まれたり……。“少し不思議”と“人情”のてんこ盛り。
「こんな商店街、あったらいいのに」と、地元のどんよりしたアーケード街を横目で見ながらそう思う。
<文・卯月鮎>
書評家・ゲームコラムニスト。週刊誌や専門誌で書評、ゲーム紹介記事を手掛ける。現在は「S-Fマガジン」(早川書房)でライトノベル評(ファンタジー)を連載中。
「The Differencee Engine」