日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『のみじょし』
『のみじょし』第2巻
迂闊 竹書房 ¥650+税
(2016年3月7日発売)
29歳女子3人組。眼鏡の独身OL・道子、主婦で二児の母・ゆき、筋トレ好き書店員・美園。
3人がタイミングをあわせて、ひたすら飲みに出かける、酒好き女子コメディの第2巻目。飲酒量もどんどん増えている。
第2巻はおいしいものとお酒の取りあわせが次々に描かれる。
職人技の天ぷら、台湾料理、おでんの“かに面”、焼いたカキ、そして極めつけはフグ!
この作品はお酒マンガ。しかしあまりお酒のうんちくなどは語られない。
「お酒は食事とともに楽しむものだ」という考え方が一貫しているからだ。
3人がストレス発散に料理を食べにいく時、お酒と料理どちらが目的、という優劣はまったくない。
あくまでも「この料理食べたら飲みたくなるよね」「これ飲んだら食べたくなるよね」という連鎖が、3人の欲望のアクセルを踏む。
第2巻では3人ではなく、一人ひとりがどんなお酒生活を送っているかも描かれる。
道子は家飲みの際、たまたま見つけたちょっとお高い「ムール貝の白ワイン蒸し」の缶詰を開ける。初めて食べた高級缶づめのおいしさに仰天。
もう彼女の飲み欲は止まらない。パジャマの上にコートを羽織って、あわてて缶詰とお酒を一気にまとめ買い。
「缶づめ祭いくよー!!」「どれからいこうカナー?」「なんちゃって全部いくんだよォー!!」とひとりごと炸裂するのも無理はない。だっておいしいものが目の前にあるのだもの。
ただ、第2巻の道子は食欲・飲酒欲の前で、理性をなくしすぎだと思います。
そういうのかわいいと思います。
登場する3人、体型がまったく違う。
道子はスレンダーでしなやかな体。ゆきは豊満でやわらかな体、美園は鍛えあげられたなめらかな体。
ほろ酔いの3人の肢体は、それぞれとてつもなく色っぽい。
大人の女性美は、お酒によってさらに引き立つ。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」