日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『これはきっと恋じゃない』
『これはきっと恋じゃない』第1巻
立樹まや 講談社 ¥429+税
(2016年3月11日発売)
これはきっと恋じゃない。恋であってはならない。
本作は、LINEマンガ連載デイリーランキング第1位に輝いた、今話題の高校生男女混合バンドマンガだ。
女子高に通う高校生・ひびきは、音楽が大好きなJKドラマー。高校生になったとたん、リア充な友だちにバンドを続けるのを断られ、バンドメンバーを探していたところ、SNSを通じて、オレンジ髪のギターボーカル・唱と、エリートボーイなベース・律に出会う。
女だからという理由でひびきをなめていた唱だが、ひびきのドラマーとしての実力を知り、3人はバンドを組むことになる。“バンド内恋愛禁止”という絶対ルールを破ったら即解散と決めて。
しかし趣味が同じ男女が、毎日のように顔を合わせれば……そんなルール守られるはずがない!?
バンドというと、おとなしめの女子にとってはちょっと敷居が高い存在だが、音楽好きならば一度はやってみたいと考えるものではないだろうか。うまく音が重なった瞬間の心地よさ、ドキドキ感……きっとやってる人間にしか得られない快感と興奮があるはずだ。
そう、読者はひびきをとおして、青春時代に憧れたバンドでの日々をを疑似体験しているのだ。
ひびきは、行動力があり、思ったことはすぐ行動、というタイプの女の子。さらに、節約のため、無料で借りられる児童館の音楽スタジオの予約を取るために、朝から並ぶなど、根性も充分。それもこれも、すべてはバンドのため。まさに“青春”だ。
しかし、そんなバンド命なひびきに、早くもライバル(!?)が登場する。以前唱たちとバンドを組んでいた美少女・樹実。しかも、樹実は唱とつきあっていたようで……!?
樹実の登場によって、ひびきの心に何かが芽生える……かもしれない第2巻に期待。
<文・穂高茉莉>
楽器店店員。『このマンガがすごい!2016』、「このマンガがすごい!WEB」のアンケートに参加中。最近少女マンガのレビューのお仕事もちょこちょこと始めました。