日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい！WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー！

今回紹介するのは、『ダイヤのB!! 青道高校吹奏楽部』

『ダイヤのB（ブラス）!! 青道高校吹奏楽部』第1巻
寺嶋裕二（作） 馬籠ヤヒロ（画） 講談社 ￥429+税
（2015年11月17日発売）

本家が『ダイヤのA（エース）』なら、こちらはBと書いてブラスと読む。
大人気野球マンガ初のスピンオフ作品が、ついにコミックスになって登場した。

主役はもちろん、沢村栄純。1年生ピッチャーならぬトランペッターだ。
中学の定期演奏会でヒゲグラサンにスカウトされて、吹奏楽の名門である青道（せいどう）高校に入学してきたのだ。

しかし学内で道に迷い、吹奏楽部に入部すべくホールを目指す沢村の前に、歩きながら寝てるという大物感あふれる降谷（トロンボーン担当）が登場。
そしてこちらも道中出会った2年の御幸に案内され、無事ホールに到着したがかなりの遅刻。

沢村が叱られてる隙に、御幸は（原作どおりに）何もなかったごとくちゃっかり壇上へ。
まんまと利用されて毒づく沢村だが、御幸の指揮で始まった青道高校吹奏楽部の演奏はみごとなもので、沢村たち1年生は胸をときめかせる。
これなら、全国制覇も夢じゃない……！

まず言えるのは、原作ファンならともかく笑える！　これ間違いなし。
ハチャメチャな学園生活は、ページをめくるごとに噴き出してしまうほど。
登場キャラはだれも彼もが想像の斜め上をいくのだが、それぞれの楽器や役どころにみごとにハマっている。
特に小湊兄弟の最強ぶりは、本編でもそうだがこの作品でも目が離せない。
楽器の選択もすばらしく、金丸のサックスや春市のフルート（しかも演奏であれこれ召喚できる！）などうなずくばかり。
また稲城実業や薬師高校、明川学園などおなじみのライバル校の名物選手たちも続々登場してきて、次はだれがどんなことを始めるのかワクワクする。

あまりに楽しくて、同じくマガジン作品のスピンオフ『進撃の巨人中学校』もアニメ化したことだし、こちらも本編同様アニメになるといいのにとついつい夢想してしまう。

最後に男性読者の皆様へひとこと。
本編の野球男子たちが吹奏楽部員の一方、マネージャーたちは全員で女子ソフトボールをやっていてかわいいですよ～。

＜文・山王さくらこ＞
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系＆スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」