話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『ゴールデンカムイ』
『ゴールデンカムイ』著者の野田サトル先生から、コメントをいただきました! 気になる方は2ページ目へ急げ!!
『ゴールデンカムイ』第7巻
野田サトル 集英社 ¥514+税
(2016年4月19日発売)
『ゴールデンカムイ』第6巻
野田サトル 集英社 ¥514+税
(2016年3月18日発売)
「脱獄囚たちの身体に彫られた入れ墨に、埋蔵金のありかが隠されている」という奇想天外なミステリーを軸に、日露戦争の帰還兵とアイヌ少女の強固な信頼関係、大自然を生き抜くアイヌの知恵とワイルドすぎるグルメ、猛獣たちとの壮絶なバトル、次々に現れては消えるド変態キャラクター……と、おもしろさ全部乗せで読み手を明治30年代の北海道に引きずりこむ『ゴールデンカムイ』。
昨年暮れに発売された本誌「このマンガすごい!2016」オトコ編で2位を獲得したのに続き、3月の「マンガ大賞2016」ではみごと、大賞に輝いた。まさに今、「何かおもしろいマンガない?」と聞かれた際に、即答するにふさわしい鉄板タイトルといえよう。
当然のごとくコミックスは重版に次ぐ重版。この勢いを削いでなるものかと、3月に6巻、4月に7巻と連続リリースされた。
5巻までの流れを少し整理しておこう。アシリパの父の友人・キロランケと出会った不死身の杉元たちは、彼から衝撃的な事実を聞かされる。アイヌの仲間たちを殺して金塊を隠し、囚人に暗号化した入れ墨を彫った“のっぺらぼう”が、死んだはずのアシリパの父だというのだ。
信じられないアシリパは自分の目で確かめるため、“のっぺらぼう”が収監されている網走刑務所まで会いに行くことを決意する。
てなわけで杉元、アシリパ、脱獄王・白石、キロランケの4人は網走へ向けて出発。ちなみに同じ道内とはいえ、小樽から網走までは400キロメートル強(経由地を考慮)。東京から大阪までの行くのと、そう変わらない遠距離である。
一行はまず、小樽からほど近い札幌で武器を調達することに。
6巻では洋風旅館「札幌世界ホテル」を舞台にしたトリッキーなバトルが繰り広げられる。一方、小樽から東へ40キロメートルほどの茨戸では、土方歳三と永倉新八が大暴れしていた(この幕末の亡霊たちもアイヌの金塊を狙っております)。