業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
今月のオンナ編第1位は、Twitterに投稿されたイラストが大反響を呼んでいる小西明日翔氏の『春の呪い』。著者はこれがデビュー作とのことですが、徐々にキャラクターの内情が暴かれていくストーリー展開にくぎづけ! 本当に新人作家!?
それではさっそく『春の呪い』への絶賛コメント、そのほかのランクイン作品を以下の記事でご確認ください!
(2016年4月1日~4月30日発売作品を集計)
第1位(170ポイント)
『春の呪い』 小西明日翔
『春の呪い』
小西明日翔 一迅社
最愛の妹・春を19歳の若さで失った立花夏美は、家の都合で彼女の婚約者であった柊冬吾(ひいらぎ・とうご)とつきあうことになる。
夏美は冬吾と交際の条件として、春と2人で行った場所へ自分を連れていくよう伝える。
妹がすべてだった女性と、妹の心を奪った男との奇妙な交際を描きながらめぐる季節のなかで、ネットで発見した妹の痕跡。それが示すものはいったい!?
ヒリヒリするような感情の発露にページをめくる手が止まらない! 大型新人の衝撃のデビューを見逃すな!
オススメボイス!
■"大型新人デビュー"というオビでのあおりは、決して誇張ではありませんでした。死んだ妹と、その恋人との三角関係といういかにも重苦しい設定のなか、期待どおりに、罪悪感だとか恋心だとかいった心情をまじめに理屈っぽくモノローグとして連ねていきます。独特の絵柄も、作品の雰囲気によくマッチしており、静かながら読みごたえ抜群の作品でした(いづき/ブログ「おとよめ」管理人)
■ものすごく重いテーマなのにさらさらーっと読んでしまって、読了後に「!? 何コレすごい!」と慌てて読み返しました。絶望を描く……というか、希望を抱きたくない主人公の未来がひたすら気になります(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)
■ひと言で言うと「亡くなった妹の彼氏と付き合う姉」の物語。つきあう2人のなかに「妹の死」という出来事が常に漂っており、飄々としつつも重く息苦しい空気が紙面から伝わってきます。複雑なテーマを描くも、グイグイと読ませるマンガ力(ちから)が抜群。2巻完結のようなので、発売を心待ちにしております(冬蜂/風俗情報サイト「フーゾクDX」制作部)
■死んだ妹の存在が重くのしかかる恋愛の話だが、妹がいなければ出会ってもいないという皮肉。全体に重くシリアスな絶望を描く内容のはずが、読者をするっと読ませる語り口は、タイプは違うのに日本橋ヨヲコ氏の作風にどことなく似ている(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)
■妹の死から始まる、妹の婚約者との交際関係。突飛な設定だが、そのなかで描かれるキャラクターたちの感情の揺らぎ、歪み、断絶が抜群にうまい。大ゴマや見開きなどの効果を多用せずに淡々と紐解かれる感情の現出に幾度もこちらの感情を揺さぶられハッとする。うまいしおもしろいし天才。同著者によりpixivで掲載されている「来世は他人がいい」の単行本化も望まれる(太田和成/あゆみBOOKS五反田店コミック担当)
第2位(112ポイント)
『微熱空間』 蒼樹うめ
『微熱空間』
蒼樹うめ 白泉社
親の再婚で姉弟になった高校生の中ノ瀬亜麻音と赤瀬川直哉。
亜麻音は父に弟ができると聞き、直哉は母に姉ができると聞いていたが、じつは2人は同じ高校2年生だった!
『ひだまりスケッチ』やアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクター原案でも知られる実力派が満を持して放つ最新作!
多感な時期の女のコが、同い年のオトコのコと急な事情で生活をともにする、という悩ましくもうらやましいシチュエーションがGOOD。素直になれない2人のじれったい関係が、もどかしい!
オススメボイス!
■ひとつ屋根の下の義姉弟ストーリーが蒼樹うめさんの絵で読めるだけですばらしいのです。展開としてはお約束感がありますが、それでよいし、それがよいのです。「姉ちゃん」「直くん」と呼び合う関係がとにかくかわいくて、それだけで幸せでした(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)
■うめてんてーの最新作! ひとつ屋根の下で同い年の異性と暮らしたいだけの人生だった……(竹村真志/三省堂書店 神保町本店・コミック担当)
■蒼樹うめてんてーの本領発揮! オーソドックスな親の再婚での同い年の姉弟もの! ほのかなラブコメと百合がたまらなくもどかしくおもしろい!(フラン/ブログ「フラン☆Skin」管理人)
第3位(92ポイント)
『透明なゆりかご』 沖田×華
『透明なゆりかご』
沖田×華 講談社
長く生きられないと判明した小さな命、病院で母を待ち続ける男の子、命がけのハイリスク出産――。著者の体験に基づいた真実の産婦人科医院物語の最新巻が、堂々のランクイン。
命の現場にいた者でなければ知りえない気づきに満ちた最新第3巻。
命の誕生にまつわる一つひとつのエピソードが、深くつき刺さります。
オススメボイス!
■中絶も含め、出産にまつわるさまざまの悲しいことも、命のなりわいの一部として受け止めていく。本当の意味で優しい作品になっている(和智永妙/ライターたまに編集)
■第3巻目です。産婦人科では赤ちゃんが生まれる以外にもたくさんのことが起こっています。ぜひお母さんたちに読んでいただきたいです(平田/旭屋書店なんばCITY店 コミック担当)