日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『パズルゲーム☆ラグジュアリー』
『パズルゲーム☆ラグジュアリー』第5巻
野間美由紀 白泉社 ¥540+税
(2016年5月2日発売)
ミステリ研究会の面々が学園の事件を次々に解決していく『パズルゲーム☆はいすくーる』は1983年より「花とゆめ」で連載開始、20年近くにおよぶロングヒットとなった作品だ。
一話一話しっかりと本格推理の味わいで、これによってミステリが好きになった人もいるのでは?
その謎解きっぷりはもちろん、キャラの魅力も重要な要素。高校生のくせして同棲しちゃってる大地と香月のカップルに、おとなしく見えて情報収集が得意な美女(みめい)、その年下の恋人でマジックの達人・卓馬……。
その続編で、今では私立探偵となった大地&香月の活躍が楽しめるのが本作だ。
依頼人に持ちこまれる案件は様々。学校買収の危機に瀕した理事長に経営権を持つOGの弱みを見つけてほしいと頼まれたり、あるいは恋人の身上調査だったり。
血なまぐさい犯罪絡みの事件もあれば、日常的な題材もあり。
本巻には4編の短編を収録。『パズルゲーム』シリーズにごぶさたの人も、初めての人でも楽しめる内容だ。
結婚はしていないけれどあいかわらずラブラブの大地と香月の絶妙のコンビネーションは健在。
事件を解決に導くだけでなく、関わる人たちの人生を思わずにいられない正義感ぶりから、ときには話が思わぬ方向に転がっていくことも!? 人としての仁義を重んじる……そんな2人の人間味あふれる言動に胸がすく、後味のよい人間ドラマでもある。
本作は月刊WEBマガジン「LoveSilky」で連載中だが、大地と香月の専門学校時代を描いた『パズルゲーム☆プレステージ』も「ミステリーボニータ」4月号より連載スタート。こちらも要チェックだ!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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