365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
7月5日は孫権の誕生日。本日読むべきマンガは……。
『一騎当千 昇龍ノ巻』
塩崎雄二 少年画報社 ¥880+税
光和5年5月17日、西暦にして182年7月5日、後漢時代の中国南西部・下ヒ(※丕に「おおざと」)の丞(副知事のような官職)である孫堅に息子が生まれた。孫権、字(あざな)は仲謀である。
10歳のときに父・孫堅を、19歳には父の後を継いだ兄の孫策(字は伯符)をうしなった孫権は、彼らがのこした家臣団をまとめあげて勢力を拡大、三国鼎立時代の一翼「呉」を作り上げた。
劉備の蜀、曹操の魏そして孫呉の3つの国がしのぎをけずる『三国志』の世界では、登場が比較的後になる若手(?)の孫権だが、なんといっても彼を初代皇帝たらしめたのは、父が残した1000人あまりの兵力を袁術のもとから取り返してわずか7年で、めざましい躍進をとげた「小覇王」孫策の功績に他ならない。
今回ご紹介するマンガ『一騎当千』の主人公も「孫策」である。
『三国志』の英雄たちの魂を封じこめられた「勾玉」を持つ高校生が、天下統一を目指して戦う格闘マンガ。ただし本作の孫策伯符は南陽学院に通う17歳の爆乳女子高生。つまりこのマンガは、『三国志』や『三国志演義』の登場人物の多くが女性化してバトる、セクシー格闘マンガなのだ。
メイド服に眼帯のクールなサブミッション系闘士の呂蒙子明やガングロ超短セーラー服の成都学園最強闘士・関羽雲長など、個性的なキャラクターが戦い、傷つき、失禁(!)するインパクトは『恋姫†無双』や『DRAGON SISTER! -三國志 百花繚乱-』といったフォロワーを生み、女性化三国志ものというジャンルを確立させた。
とまあ、ここまできて孫権の話題が一個も出ていないというツッコミもありそうなのでいちおうフォローしておこう。
昨年9月より「ヤングキングアワーズ」(少年画報社)に移籍した本作は同誌の2016年1月号より『真・一騎当千』と改題されて連載開始。その主人公はなんと孫権仲謀で、第1話から姉ゆずりの天然キャラが炸裂し、パンチラ・失禁とお決まりのフルコースを披露。雑誌が変わろうとブレない作者のノリが早くも話題を呼んでいる。
少年画報社からは新連載に連動した形で旧作も新装版でリリース中。8月に登場予定の『真・一騎当千』を待ちながら読んでみてはいかがだろうか。
<文・富士見大>
編集・ライター。特撮のあれこれやマンガのあれこれに携わるほか、歴史ものもたしなむ。『別冊宝島 「仮面ライダー」伝説の10人ライダー総特集』や、ただいま絶賛発売中の『手裏剣戦隊ニンニンジャー公式完全読本 天下無敵』にも参加しています。