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『みつどもえ』第17巻 桜井のりお 【日刊マンガガイド】

2016/07/03


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『みつどもえ』


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『みつどもえ』第17巻
桜井のりお 秋田書店 ¥419+税
(2016年6月8日発売)


三つ子姉妹を中心としたスラップスティックコメディ、300回を突破してなお勢いは止まらない。

いちおうは丸井家の三つ子のみつば・ふたば・ひとはが軸ではあるが、回を重ねるごとに小学生たちのみならずその両親や先生をも巻きこんだ群像劇になってきている。

17巻では丸井ひとはの成長っぷりがめざましい。
最初の頃のひとは根暗で、ひとりでいることを好み、コミュニケーションが極めて苦手、という暗ガールだった。
しかし今ではトップクラスで、真の友情をいろんなキャラと築いている。

特にオカルト大好き少女・松岡咲子との絡みは顕著だ。
松岡は霊関係の話になるとハッスルしすぎるため、とにかく面倒くさい。友人である杉崎みくたちですらも、微妙に距離をおいている。
彼女はひとはが「天才霊媒師」だと思っており、ものすごく慕っている。正直慕いすぎていて本当にやっかい。

みんなが海に行った時、ひとははつい松岡を呼ぶのをためらってしまった。ぶっちゃけみんな「海に来たら来たで面倒」くらいに思っていた。
ところが松岡にバレてしまった。ひとはは自分のお年玉を使って、2人きりで自殺の名所めぐりに行くことを決めたのだ。
罪滅ぼし的なところもあるのかもしれないが、松岡とのサスペンスシーンごっこにつきあったりと、めちゃくちゃノリがいい。

大きな声を出せなかったり、初対面の人と離すのが苦手なところはまだまだある。
けれども、彼女はループするサザエさん空間のなかで、確実に成長しているのだ。
その結果なのか、隣のクラスの児童会長に(しかも男子児童と間違えられたうえで)好かれるという結果にもなったけど。

モテ度でも彼女は、この作品トップ級だと思います。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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