365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
7月19日はやまなし桃の日。本日読むべきマンガは……。
『もももも百田さん』第1巻
浦田カズヒロ 講談社 ¥429+税
これまで当コーナーでは数々の強引な記念日を紹介してきた。しかし今回ピックアップしたのは、数字の語呂合わせや足し算・引き算といったレベルを遥かに超えた、解読難易度マックスの記念日である。
本日は「やまなし桃の日」。山梨県が桃の生産量で全国一ということをアピールした記念日だ。
では、なぜ7月19日なのか……? それは、元旦から数えて7月19日がちょうど200日目にあたるから。
この時点で頭に「?」が点灯することだろう。200日は漢字で「二百日」。「百」は「もも」と読む。「二百」は「百+百」。もも尽くしの上に、7月が桃のおいしい季節ということで制定されたという…………って、その理由、いくらなんでも無理があるから! 4年に一度はうるう年で201日目だし!!
そんなゴーイング・マイウェイな「やまなし桃の日」に紹介するからには、単に桃が出てくるマンガじゃつまらない。「百+百」=「もも+もも」ということで、ハイパーお下劣コメディの『もももも百田さん』を紹介しよう。
転校生の米山ヨウタがひと目惚れしたのは、千年にひとりの美少女・百田もも子。ところが百田さんは米山が自己紹介するなり、「この変態さぁぁぁぁんん!!!」と絶叫。百田の親友・笹木サキの詳細解説によると、黒板に書かれた「米山」という名字の「米」がア●ルに、「山」がチ●コに見えて卑猥だというのだ。
転校早々に「ア●ルチ●コ」のレッテルを貼られてしまった悲惨すぎる米山。それでも百田さんへの想いは日に日に募っていき、下ネタ敏感体質に注意しながら距離をつめていく。
ワンアイデアのエロコメといったらそれまでだが、門松をポコ●ン、梅干しをキン●マに見立てるのをはじめ、写生大会、ちんちん電車、青函トンネル、おいなり、駅弁、マンホールといった中1男子レベルの下ネタ変換波状攻撃に毒され、気が付けば「くだらね~~~!」と笑い転げること必至。
作者の浦田カズヒロにとっては不本意かもしれないが、全2巻でサクッと完結しているところも◎。というか、よくもまぁ全36話もネタ切れしないで続けられたと感心する。
「そういやオレ(私)も、10代のころは地図帳でエッチな地名を探したり、エロい言葉を辞書で引いたりしていたなぁ」と強い郷愁にかられた、そこのア●ル……否、アナタ。
あのころのリビドーを思い出したくなったら、旬の桃でもつまみながら、『もももも百田さん』をご一読あれ(山梨の桃関係者の方、すみません!)。
<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。今秋公開予定の内村光良監督『金メダル男』の劇場用プログラムに参加しております。