日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『監獄学園』
『監獄学園』 第22巻
平本アキラ 講談社 ¥552+税
(2016年8月5日発売)
一見するとシリアスな雰囲気漂うタイトルだが、蓋を開けてみると、あまりのくだらなさに笑いが止まらないお色気コメディマンガ『監獄学園』。
女子生徒ばかりの学園に入学した5人の男子生徒が、「覗き」という失態を犯してしまったがために監獄に閉じこめられ、そこからの脱出劇を描いた作品だ。
最新巻となる22巻では、学園を牛耳る表生徒会と裏生徒会との騎馬戦一騎討ちが描かれている。
そして、冒頭で待ち受けているのは、主人公・キヨシの死という、非常にショッキングな展開。
その死因は、膨張した局部を、大勢の女子生徒に見られてしまったこと。
男として、人間としての尊厳を失いかねない事態に耐えられなかったキヨシは、ショック死してしまったのだ。
もう、脱力ものである。
そんなキヨシの死を悲しむ裏生徒会の面々、そして復活したキヨシが、慈悲深き人間になっていた瞬間……。
ほんの少しの感動と、お腹を抱えるほどの爆笑がそこにはある。
そして、今巻で裏生徒会の前に立ちはだかる最大の敵となるのが、かつての仲間だったアンドレだ。
キヨシたちとともにあらゆる局面を乗り越えてきた彼は、表生徒会に手なずけられ、今ではその巨体を活かした猛獣のような存在になっている。
騎馬戦において重要なのは、体つきとリーチの差。
その点において、裏生徒会には勝ち目がないように見える。
はたして、その勝負の行方は……?
余談だが、騎馬戦だけでまるまる一巻もたせてしまう作者の技量は、さすがのひと言。
お色気描写にもますます拍車がかかり、もはやその暴走ぶりは止められないだろう。
次巻も非常に楽しみだ。
<文・五十嵐 大>
'83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。