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9月17日は「黄海海戦」が行われた日 『赤城と比叡』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/09/17


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

9月17日は「黄海海戦」が行われた日。本日読むべきマンガは……。


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『赤城と比叡』
黒井緑 白泉社 ¥780+税


1984年の本日、9月17日は日本海軍連合艦隊と清国海軍北洋艦隊の艦隊決戦、黄海海戦(鴨緑江海戦)が行われた日。
そんな今日は、この海戦を描いた短編「赤城と比叡」を収録した黒井緑『赤城と比叡』を読もう。

赤城、比叡と聞くと、読者の方々の多くは「慢心してはダメ」の大食い正規空母と、「金剛お姉様の妹分」の高速戦艦を思いうかべるかもしれないが、本作が描くのは、その2隻の初代にあたる、砲艦・赤城と、コルベット艦・比叡のほう。
当時、東洋最強といわれた戦艦・定遠と、準主力艦・来遠という格上の相手に小艦2隻が懸命に奮闘する姿を描く。

艦を動かす蒸気機関で石炭を燃やすのをはじめ、敵を見つけるのも、命令を伝えるのも、全部、人間の目で、手で、足で、声で、やらなければいけなかった時代の戦争。
柔らかな線や手描きのセリフ文字も相まって、凄惨な戦いを描いているのに、どこかあたたかみを感じる。

表題作をはじめ、駆逐艦、潜水艦と様々な艦の奮闘っぷりが読めるので、ぜひ、今日のこの日に手にとってほしい。



<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas

単行本情報

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