日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』 第18巻
貴家悠(作) 橘賢一(画) 集英社 ¥514+税
(2016年8月19日発売)
テラフォーミングのために火星へと放たれた結果、人型へと進化をとげたゴキブリ=テラフォーマーと、さまざまな地球の生物の能力を組みこまれた人間たちとの死闘を描く、大ヒットSFマンガ『テラフォーマーズ』。そんな本作もとうとう第3部に突入だ。
火星を舞台に戦いが繰り広げられていたこれまでの物語から一転、このたび発売された第18巻では、前巻の1年後の地球を舞台に、密かに日本侵略を開始したテラフォーマーと人間の攻防が描かれる。
ビル街や地下水道など、本来のゴキブリの住みかへと戦場が移ったことにより、テラフォーマーたちはそのポテンシャルをフルに発揮し、人間社会を脅かしていく。
しかし、人類も黙ってやられるのを待つだけではない。
民間警備会社「一(はじめ)警護」に所属し、新たなる力を獲得した膝丸燈などのおなじみのキャラクターたちに加え、裏社会の住人ならではの目的でテラフォーマーを狩り続ける、燈の小学校時代の同級生・斉藤翔など、テラフォーマーに対抗する新たな戦士も登場。
新キャラクターの登場に加え、高い知性を持つテラフォーマーが人間をある目的のために利用しようとする描写など、戦いがこれまで以上に凄惨で激しいものとなることを否応なしに予感させられる。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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