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『スパイダーバース』 ダン・スロット(作) オリビア・コワペル/ジュゼッペ・カムンコリ(画) ほか 【日刊マンガガイド】

2016/07/18


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『スパイダーバース』


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『スパイダーバース』
ダン・スロット(作) オリビア・コワペル/ジュゼッペ・カムンコリ(画) 秋友克也(訳)
ヴィレッジブックス ¥2,200+税
(2016年5月30日発売)


ニューヨークの路地裏から銀河の彼方に位置するザンダー星、はては神々の住まうアスガルドと限りなく広がりを見せるマーベルユニバースだが、さらに無数の並行世界をも内包しており、その多くに固有の番号がふられている。
たとえば、もっともポピュラーで正史とでも呼ぶべきメイン世界がアース-616ならば、映画『アベンジャーズ』や『アイアンマン』の舞台となっているマーベル・シネマティック・ユニバースはアース-199999、ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM』の世界はアース-30847といった具合。
そして若干の例外はあるものの、それぞれの世界にそれぞれのスパイダーマンやキャプテン・アメリカが存在しているのだ。
ちなみにスーパーヒーローやスーパーヴィランがいない世界、すなわち読者である我々の住んでいる世界は、アース-1218と設定されているらしい。お互い退屈な世界に生まれてしまったもんですね。

とまれマーベル・コミックの長い歴史においては、こういった別次元の同一キャラクターが共闘することも決して珍しくはないのだが、アニメ、映画、ドラマ、ゲームなど異なるメディアのスパイダーマンまで一堂に会するクロスオーバーともなると前代未聞だ。
それにスパイダーマンと一口にいっても、マーベルユニバース全体を見渡せば総勢200名を越す。
もちろん、そのすべてが登場するワケではないものの、おなじみのピーター・パーカーも、社長だったり高校生だったり忍者だったりサイボーグだったりハルクだったりとバリエーションに事欠かず、さらにイギリス人やインド人、そして日本人のスパイダーマンまで出てくるのだから、コミックファンならずとも気になってくるというもの。

特にアース-51178出身のスパイダーマン、すなわち東映版スパイダーマンの参戦は、本国連載時に日本でもYahoo!ニュースで報じられるほどの話題を呼んだ。
ブタや類人猿、女子中学生など、マーベルユニバースには様々なスパイダーマンが存在するが、正義の宇宙人から託された巨大ロボット=レオパルドンに乗りこんで戦うスパイダーマンなんて彼しかいないのだから。

そもそも変身ヒーローと巨大ロボの組みあわせは、この東映版『スパイダーマン』から始まったフォーマットなのだ。
だが、のちのスーパー戦隊シリーズの巨大ロボとは一線を画するのが、レオパルドンの圧倒的なまでの強さである。
よりクラシックな東映版『ジャイアントロボ』においても同じことがいえるのだが、巨大ロボ戦のノウハウが蓄えられていない時代のキャラクターであったこともあり、まともに相手と絡むことなく、ロングレンジによる攻撃で秒殺してしまう。
特にレオパルドンの場合、各回に登場する巨大化したマシーンベムはもちろん、最後の敵であるビッグモンスターですら、脚部から取り出したソードビッカーの一撃で倒してしまったため、特撮ファンから“史上最強のロボット”などと呼ばれることも多い。

レオパルドンの戦闘能力は本作においても健在で、スパイダーメンたちの切り札として登場する。
まともに考えれば、今回の敵がどんなに強大であろうと、ソードビッカーさえあれば一瞬で片がついてしまうのだが……『スパイダーバース』、どうぞお楽しみに!



<文・ガイガン山崎>
“暴力系エンタメ”専門ライター。機械合成怪人をこよなく愛する。好きなマシーンベムはゴキブリコンビナート。

単行本情報

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