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11月15日は「いい遺言の日」 『夫の遺言』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/11/15


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

11月15日はいい遺言の日。本日読むべきマンガは……。


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『夫の遺言』
マキヒロチ(著) 弁護士ドットコム(監) 集英社 ¥562+税


11月15日は、「いい(11)/いごん(15)」で、「いい遺言の日」。
4月15日も近畿弁護士会連合会により「よい(4)/いごん(15)」で「遺言の日」と制定されているが、「いい遺言の日」は、りそな銀行が2006年に制定したもの。
家庭内での遺産相続をめぐるドロ沼を防ぐために、親戚が集まる年末年始を前に(←ここポイント)、みんなが笑顔で集まれるように相続の意識を高めてもらおうという主旨だ。

お気づきだと思うが、「遺言の日」も「いい遺言の日」も、どちらも「ゆいごん」ではなく「いごん」と読んでいる。耳慣れないかもしれないが、どちらも正解。
厳密ではないが、故人がなんらかの意思を示して遺した言葉は「ゆいごん」。法律上の要件を満たし、効力を発するものが「いごん」。法律事務所などでは「いごん」を使うのが通例のようだ。

てなわけで、本日ご紹介するのはマキヒロチの『夫の遺言』(読みは「ゆいごん」のほう)。
主人公は31歳の専業主婦・絹代。親子ほども年の離れた人気作家・嘉数貴志(かかず・たかし)と結婚し、東京から少し離れた海の見える家で暮らしていた。しかし結婚1年半にして、最愛の夫は帰らぬ人に。

マトモに働いた経験がほとんどなく、男性に支えられないと生きてはいけない絹代は、あとを追うことを考える。
ところが夫の遺言書が見つかったことから事態は一変。遺産相続の権利がある面々が一堂に会したのだが、そこには先妻と2人の娘、昔の恋人との間にできた隠し子、色っぽい愛人……と驚きの顔ぶれがズラリ。
遺言書は絹代と知りあう前に書かれたもので、彼女に対する文言はいっさいナシ。絶望した絹代は、本気で自殺を試みるが……。

このようにドラマチックな筋立てがドンとあり、相続権利をめぐるアレコレと絹代が自立に向けて歩み出す様が描かれるのだが、一方で、法律相談サイトの弁護士ドットコムが監修に入っており、しっかりとした終活マニュアルにもなっている。

遺言書に名前がなくても妻に取り分はあるのか?
愛人や隠し子も遺産を受け取れるのか?
借金も相続しなくてはいけないのか?

死ぬための準備なんて気が進まないが、残された家族や親戚が遺産やお墓のことで大モメし、いがみあうのは避けたいもの。そのためにも遺言書は非常に重要なのである。
「まだまだ先のことだも~ん」とハナクソをほじっているそこのお父さん! 大切な人が困らないように、少しずつ準備を始めるべし。



<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口を凌ぐライター。

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