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11月21日は「世界テレビ・デー」 『スキップAD! いろはちゃん』第4巻を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/11/21


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

11月21日は世界テレビ・デー。本日読むべきマンガは……。


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『スキップAD! いろはちゃん』 第4巻
大乃元初奈 芳文社 ¥619+税


11月21日は「世界テレビ・デー」。
1996年11月21日に国連で最初の「世界テレビフォーラム」が開催されたことを記念し、1996年12月の国連総会で制定された国際デーのひとつ。
「世界テレビ・デー」は、平和・安全・経済・社会開発・文化交流の拡充などの問題に焦点を当てたテレビ番組の世界的な交流を図ることが目的。

国際デーは世界各地で記念行事が行われるなど、まさにワールドワイドな記念日なのだが、制定された国際デーは年間100日以上あるので、1年の1/3弱はなんらかの国際デーなのだ。
そんな「世界テレビ・デー」に、朝の情報番組の制作班で働く新人AD(アシスタントディレクター)いろはちゃんの活躍を描いた『スキップAD! いろはちゃん』を読もう!

主人公は大阪にあるTV番組制作会社の新人AD・成田いろは。元気で明るく、コマネズミのようによく動く前向きな性格で、上司の高野(タカノではなくコウヤ)ディレクターからは「明朗バカ」と呼ばれる。
女子ながらはしごを小脇に抱えて走りまわる力持ちで、カゼは夏場にしかひかない頑丈さん。それでいてまわりへの気配りもきく人気者だ。

大乃元初奈は、『おねがい朝倉さん』や、そのスピンオフ作品である『社外秘! 神田さん』など、働く女の子を主人公にした4コマに定評がある著者。
ADといえば企画出し、下準備、アポ取り、下見、買い出し、ロケ弁の手配、発注、機材の運搬などなど、番組制作に関わるありとあらゆる雑用をこなす重労働。
『スキップAD! いろはちゃん』でも、テレビ局や芸能界の華やかさより、ひたすら体力勝負の地道な裏方が描かれる。

たとえば2人がかりじゃないと抱えられないような段ボール箱の運搬。
第1巻の時点ではお隣の班のディレクターに手伝ってもらって運んでいたいろはも、第4巻では段ボール箱の角を支点にクルッと回転させて肩に担ぎ上げる。
「ADあるある」ネタの合間にちょっとしたハウツーネタが入れこまれ、さらにいろはの成長っぷりも描かれる。いろはがただ単に愛嬌や要領だけでまわりから助けてもらっているだけではないことが伝わってくるのだ。

連載期間は5年にわたるものの、作品中のいろははまだまだ新人。
しかし、かけだしながら確実に成長しつつある彼女の姿が描かれていく。
日々の仕事に追われ働く意義を見失ってしまいそうな時、笑いながら初心を取り戻せそうな作品だ。



<文・秋山哲茂>
フリーの編集・ライター。怪獣とマンガとSF好き。主な著書に『ウルトラ博物館』『ドラえもん深読みガイド』(小学館)、『藤子・F・不二雄キャラクターズ Fグッズ大行進!』(徳間書店)など。構成を担当した『てんとう虫コミックスアニメ版 映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が発売中。4コマ雑誌を読みながら風呂につかるのが喜びのチャンピオン紳士(見習い)。

単行本情報

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