『怪談イズデッド』
飯島しんごう 講談社 \590+税
(2014年8月7日発売)
怪談に出てくるキャラクターたちが集結したギャグマンガ。タイトルどおり「デッド」。
21世紀、怪談は死んでしまった。
動く骨格標本、トイレの花子さん、テケテケ、怪人赤マント、動く二宮金次郎。今、30代以上の大人なら、誰しもが「学校の怪談」としてなかば本気にして怯えたものだ。
20世紀はたしかに、テレビではオカルト特番が組まれ、書店には心霊写真集がたくさん売られていた。
ところが時代は変わってしまった。今や情報化社会、オカルト雑誌は「ムー」しか残っていない。テレビからは心霊番組は消えた。
二宮金次郎像は撤去され、人体模型は盗難防止で鍵がかけられ、全裸彫刻は不謹慎とパンツを履かされる。
そんな時代に怪談の趣は1ミリも残っていない。スマホ・SNSの普及で居場所をなくした、電話の怪談のメリーさんなど、まさに怪談側からしたら諸行無常にもほどがある。
今や、学校の怪談がない小学校のほうが多いだろう。怪談は子どもが語ることで初めてうまれるもの。語られない「不思議」は、無に等しい。
結局は人間が一番怖い……というフレーズが使われるようになって、すっかり行き場所を失ってしまった怪談たちの、ブルースのような切ないコメディだ。そりゃ、トイレも花子さんも、やさぐれてタバコ吸わなきゃやってられねえってもんだ。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」