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12月29日は「星一号作戦」(アニメ『機動戦士ガンダム』より)が発令された日 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/12/29


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

12月29日は星一号作戦が発令された日。本日読むべきマンガは……。


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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 第1巻
矢立肇、富野由悠季(作) 安彦良和(画) KADOKAWA ¥580+税


本日12月29日は、アニメ『機動戦士ガンダム』で描かれた一年戦争末期、「星一号作戦」が発令された日だ。
宇宙要塞ソロモン攻略後の第40話「エルメスのララァ」において、地球連邦軍のレビル将軍によって発令された本作戦。その内容は、地球連邦軍の主力を持ってジオン本国への侵攻を目指し、一気に戦争のカタをつけようというものだ。

ジオン総帥であるギレン・ザビとキシリア・ザビの対立に危機感を覚え、講和を目論んだ公王デギン・ソド・ザビと、それに応えたレビル将軍の死といったイレギュラーな事態により、作戦はすべて予定どおりに進行したとはいいがたい。
だが、圧倒的兵力を持って侵攻した地球連邦軍の前に、デギンの危惧どおりギレンとキシリアの対立によって混乱した宇宙要塞ア・バオア・クーは陥落。宇宙世紀0080年1月1日の終戦協定を持って、一年戦争は終結することとなる。これが、アニメ版で描かれた「星一号作戦」の顛末だ。

マンガ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、地球での雌雄が決し、ソロモンは崩落したものの、グラナダや本国が健在という状況ならば、ジオンの総兵力は連邦に勝っていたのではないか? という解釈により、「星一号作戦」はジオン本国侵攻をほのめかして威圧することで、和平に持ちこむための作戦とされている。
ア・バオア・クー攻防戦への流れも、デギンとレビルの死により和平への道と主力艦隊を失った連邦軍が、ア・バオア・クーを潰し、戦争を痛み分けで終わらせることに賭ける……という、原作とは異なるかたちだ。
そんなア・バオア・クー戦では、セイラ・マスがジオン・ズム・ダイクンの遺児であることを明かし、要塞内部での反乱を誘発させるなど、原作以上にイレギュラーにイレギュラーが重なる混迷を極めた戦場となった。OVAで映像化された「シャア・セイラ編」から終盤まで続く、ザビ家とダイクン家の因縁の結末も見逃せない。

原作にはないサプライズや、歴史マンガを多く手がけてきた安彦良和ならではの陰謀劇で読者を楽しませてきた本作。その魅力がつまったクライマックスといえるだろう。



<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton

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