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『ギオンのツガイ』 第2巻 藤ます 【日刊マンガガイド】

2017/01/19


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ギオンのツガイ』


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『ギオンのツガイ』 第2巻
藤ます KADOKAWA ¥550+税
(2016年12月23日発売)


女子しか使うことができない「神力」を、なぜか使うことができる少年・ギオン。
彼が出会ったのは、十四歳の少女・7ヒメルコ。
ヒメルコは出会ったばかりの彼に「ギオンの奥さんだもん……」と言い出した。
これを聞いて、ギオンは大ハッスル。なぜなら彼は、十四歳の少女が大好きだったからだ。
ヒメルコを「オロチに侵されし皇国の害獣」と呼んで、駆除のためにやってくる刺客たち。
ギオンは彼女を守るべく、戦う。

「四聖獣」と「オロチ、スサノオ、クシナダヒメ」を巡る、日本神話の血筋を引いた社会が舞台の、異能力アクションバトル。大京都の祇園が日本の首都で、神力による国造りが行われている世界だ。
ただ、それらの入り組んだ世界設定をはるかに凌駕するほどに、ギオンの十四歳フェチが飛び抜けて目を引く。

「十四歳といえば中学二年生……子供でもなく大人でもなく 子供でもあれば大人でもある……少女の可憐さと女の色気を同時に兼ね備えた 乙女が最も光り輝く至高の一瞬!!!」
「俺は十四歳を娶る男 ギオンだ!!!」

全編に渡って彼の「十四歳哲学」が貫かれている。
1巻では白虎の子供にしか見えない女性・ミャーコが登場。
彼女はいわゆるロリババア(見た目が幼く実際は年上)。
彼はそのよさは認めるものの、求めているものとは相反するようだ。
第2巻で目立つのは青龍のムサシ。とんでもない巨乳の持ち主で二刀流の使い手。
彼女と戦う時、さすがにギオンの目もおっぱいにひかれてしまう。
それでも彼ははねのける。
「ここにおわすは芸術的完璧十四歳!!!! このどこにオロチ要素があるというのか!!!!」
“十四歳愛”が、何もかもをねじふせる。

豪快なアクションと、ヒメルコの十四歳のなまめかしい肢体描写に、とことん注力した作品。
2巻でしっかりと、謎だったギオンとヒメルコの過去や、オロチがらみの騒動の原因と解決、神々の仕組みを描ききっている。
ただ、キャラがみんなよくできていただけに、正直もうちょっと読みたかった。
ヒメルコが十五歳になったらどうするんだろう。
ぜひ次の作品で、十四歳力をさらに活かしたものが見たい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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