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『このマンガがすごい!comics 前田利家 上 天下無敵!槍の又左』 永井豪・ダイナミックプロ 【日刊マンガガイド】

2017/02/21


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『このマンガがすごい!comics 前田利家 上 天下無敵!槍の又左』


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『このマンガがすごい!comics 前田利家 上 天下無敵!槍の又左』
永井豪・ダイナミックプロ 宝島社 ¥630+税
(2017年2月20日発売)


「前田利家」といえば戦国時代、なかでも織田信長と豊臣秀吉を語るうえで、外すべからざる濃密な関係性を持つ戦国武将だ。
「犬千代」という幼名が、サルこと木下藤吉郎(のちの秀吉)と好対照でもあり、小姓時代から織田家に仕えるエリートだったこともあって、ある意味戦国の主役たちをかたわらで支えたバイプレイヤーが、この前田利家である。

そんな前田利家をあえて主人公にすえて、その少年時代から壮年期までを、『デビルマン』『マジンガーZ』で有名なSFアクションの大家・永井豪が描いたマンガが本作。

永井豪と時代劇マンガとは、なんとなく違和感を感じるむきも多いかも知れないが、『バイオレンスジャック』のスラムキングをはじめ、彼が戦国時代の鎧兜から着想を得たとおぼしきキャラクターは多い。
さらに、若い頃は「槍の又左」と呼ばれたゴリゴリの武闘派である利家は、織田家の主要な合戦で文字どおり存分に“槍ばたらき”を見せるため、史実にのっとりながらも大胆なフィクション的解釈を加えて胸のすくアクション成分が多めなのも豪チャンらしさ全開でサイコーなのである。
たとえば序盤の見せ場である「桶狭間の戦い」。海道一の弓取り(=武将)・今川義元を討ち取ったのは前田利家だった、という大胆な着想には歴史マニアも「なるほど」とうなずく“物語の説得力”があるので、詳細はぜひ手にとってたしかめていただきたいところ。

上・下巻同時発売で、1巻あたり300ページを超す大ボリュームの一大戦国アクション絵巻。永井豪ミーツ戦国時代のマンガを、この機会にイッキ読みしてみてはいかがだろう?



<文・富士見大>
かつて某戦国SLGの企画開発にも携わっていたこともある編集・ライター。特撮のあれこれやマンガのあれこれに携わり、最近作は『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀』『「ウルトラマン超解析」大怪獣激闘ヒストリー!』。間もなく発売の「東映ヒーローMAX Vol.55」にも参加しています。

単行本情報

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