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『四十七大戦』第1巻 一二三 【日刊マンガガイド】

2017/04/10


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『四十七大戦』


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『四十七大戦』 第1巻
一二三 泰文堂 ¥600+税
(2017年3月11日発売)


高校演劇ドラマ『Now playing』で美麗なキャラクター絵と、巧みな心理描写を披露した一二三氏の新作!今度は、都道府県擬人化バトル!?

冒頭からいきなり衝撃的だ。というのも、どうやら日本の首都が「鳥取県」になるというのだ!
(まことに失礼ながら、)人口も少ないし、「砂丘」ぐらいしかイメージがない鳥取県がなぜ首都にのしあがったのか、そのキセキが明らかにされていく。

時はさかのぼり……。
最強の県をつくるため、各都道府県のご当地神に競争をさせる「首都争奪戦」が勃発。
この戦いで、弱い県がいくつか消えようとかまわない。なぜなら「魅力のない」県だから。

……という、非情なバトルになりゆきで参戦することとなった主人公、鳥取県のご当地神は、まずは島根県と闘うこととなる。
勝負の肝は「人口」。相手の攻撃を受けると、自分の県の人口が奪われる。そして、臨界点まで人口が吸収されると敗北となるのだ。

主人公が鳥取県という、絶妙なチョイスがいいし、絶妙なチョイスがいいし“スターベックス”が最後に出店されたという自虐ネタを盛りこんだり、鳥取砂丘や松葉ガニなど、その県の観光名所や名産品をバトルにうまく落としこむ、著者のセンスが冴えわたる!

「島根県はしじみ水揚げ量日本一」など、もしかしたら県民でも知らない可能性がある小ネタが多数散りばめられていて、本作の豆知識を持って旅行にいくのもおもしろそうだ。
一方で、自分の出身県がどう登場するのかも気になるところ。

第1巻は中国地方が舞台だったが、第2巻では都道府県第3位の人口を誇る強敵・大阪をはじめ、新キャラが続々登場するらしい。
大阪といえば、たこ焼きやら道頓堀やらネタは豊富だろうが、一二三氏がどんなものをチョイスしてくるのか楽しみだ。


<文・穂高茉莉>
楽器店店員。『このマンガがすごい!2016』、「このマンガがすごい!WEB」のアンケートに参加中。最近少女マンガのレビューのお仕事もちょこちょこと始めました。

単行本情報

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