日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『女王の花』第15巻
『女王の花』 第15巻
和泉かねよし 小学館 ¥429+税
(2017年3月24日発売)
「“千年の花”どうか あのこ と ずっといっしょに いられますように」
第60回「小学館漫画賞」少女向け部門を受賞した大河ロマンが、ついにフィナーレを迎えた。
亜国の姫として生まれた少女・亜姫は、妾の土妃により、母親を毒殺され、黄国に人質として送られる。その後、金髪碧眼の奴隷・薄星とともに、亜国に再び戻るべく、戦力を整えていく亜姫。そして、その目的はようやく果たされようとしていた。
最終話は、大ボリュームの80ページ。ネタバレになるので多くは語れないが、フィナーレの解釈は、読者にゆだねられているように感じる。
亜姫の女王としての願い、ひとりの少女としての願いは叶ったのか。
それには、本作でたびたび登場した“千年の花”も大きく関わっている。
様々な犠牲や協力のうえ、戦いを終わらせた亜姫。亜姫がこれまでに成し遂げたことの成果は、彼女にかえってくる。
“千年の花”に祈りを捧げ続けた亜姫がたどりついた場所とは……?
戦乱の世を駆け抜けたひとりの少女のラストを見届けてほしい。
<文・穂高茉莉>
楽器店店員。『このマンガがすごい!2016』、「このマンガがすごい!WEB」のアンケートに参加中。最近少女マンガのレビューのお仕事もちょこちょこと始めました。