あのトンデモ発言男も、先生の実体験から!?
――3人それぞれの経験談のかたちを考えるのは、かなりたいへんではないかと思います。日頃、どんなふうにネタを考えるのでしょうか。編集さんやご友人との会話からアイデアを得ているのでしょうか?
尾崎 人と会って話すのは本当に参考になっていると思います。男女関係の話にかぎらず、人から聞いた話を男女関係の話に置き換えて「じゃあ男にこんなことをいわれたら」「あんなことをいわれたら」と想像力を膨らます、その足がかりにすごく有効です。もちろんそれを期待して人と話しているわけではありませんが。
――彼女たちが出会う男性は非常にリアリティがありますよね。第2巻に出てくることが起こってから『そうなると思ってた』」っていう男……私の父がまさにコレで。ドラマとかクイズ番組を見てる時、いつもイライラしてました(笑)。
尾崎 人物まるまるモデルにしたというのはありませんが、これまで会ったことのある男性の行動とか、友人の話とか、ニュースだったり雑誌で取りあげられたトピックスにインスピレーションをもらって、そういうのにアレンジを加えてわかりやすくダメにしてキャラを盛りこんで描いている感じです。こまごまとしたエピソードは実体験からくるものもあります。
――たとえばどれですか?
尾崎 第1巻の英会話教室のK大卒の男とか、「浮気は本能」ってホントにいっちゃってる男とか、鼻くそ食う男(コミックス未収録)などなど。
――鼻くそ食う男、いますよね!! それ読みたい(笑)。
尾崎 佐和子の「あたしは仕事に家事にオマエの世話で疲れてる」も、かなり自分の実感からきています。
――この、フラットな口調の中に「オマエ」呼ばわりが登場する怒りの表現がすごく好きです。作中で、尾崎先生ご自身が特に気に入っているエピソードを教えてください。
尾崎 第1巻に出てきた「電車大好き二日市さん」のエピソードでしょうか。たいていの場合、マンガとしてわかりやすく男が悪いように描いているのですが、このエピソードに関しては、男性は悪くないけどだけどなんかごめんなさい、という……微妙だけど女子にはわかってもらえそうな感じで描けたので、気に入っています。ちなみにこれも、実体験です。
――男と女の感じる「ロマン」の違いなんでしょうか。男性も、女性の……それこそ千代みたいな少女マンガっぽい恋愛への憧れは理解できないと思いますが。女性も、男性ならではの演出に「?」と思っちゃうことがある。
尾崎 まあ、のちのち笑って話せるようなことであれば別にいいんじゃないかと思いますけどね(笑)。
――尾崎先生は結婚・出産を経験されていますが、過去の経験から“ダメ男”にひっかからない方法&攻略法などを教えてください!
尾崎 えー、なんでしょう。月並みですが自分を大事にすることでしょうか。あんまりここを深く掘り下げると、80Pの読み切り3本くらい描けちゃいそうなのでこのくらいで(笑)。
取材・構成:粟生こずえ
『深夜のダメ恋図鑑』第3巻
尾崎衣良 小学館 ¥429+税
(2017年9月8日発売)
■次回予告
次回のインタビューでは、『ダメ恋』を読んだ男性読者さんからの意外な(!?)感想や、尾崎先生が「大人の少女マンガ」を描く時に心がけていること、そして先月発売された最新第3巻について、あれこれ聞いちゃいました!
インタビュー第2弾は、10月6日(金)公開予定です! お楽しみに!
尾崎衣良先生の『深夜のダメ恋図鑑』も紹介している
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