2人が新生活に至った経緯が明かされていく、待望の第4巻
――本作は「2人」の物語ではありますが、10代の頃、2人のそばにいた珠希と剛の存在感も非常に大きいですよね。珠希と剛、それぞれの描写にも重点を置いているのは?
茜田 第三者からの視点の話が描きたかったからです。第1話目の次に浮かんだのが第4話目の剛視点の話でした。
――珠希は異性がらみのことに関しては、かわいそうなほどヒドい目に遭っていますよね。恋愛に積極的になれないのは剛のことが尾をひいているせい?
茜田 これもおいおい描きたいのですが、たしかに不憫な子ですね……。描きながら「ごめんね」って思ってます。
――剛もすごく人気が高いのでは? 男っぽくて明るくて気さくで……。桂一よりもモテそうな。
茜田 絵的に一番気をつかうのは剛くんです。イケメンに描かなきゃ……というプレッシャーがあるので。
――剛が桂一に想いを寄せているというのは驚きでした! どのようなところを好きになったのでしょうか。
茜田 しいていうなら晃への想いの部分でしょうか。剛の、桂一への感情についてももうちょっと描けたら描きたいと思ってますが。4話のラストで、剛が、晃への気持ちをポツリと語った桂一のうしろ姿を眺めるはとても思い入れの強いシーンです。大抵描きたいシーンが思い浮かんで、そこから話ができあがるのですが……。
――ほかに、「ここは描きたかった!」と特に楽しみにしていたシーンはありますか?
茜田 第10話目(第3巻)のラストシーンです。
――晃が、ひとり暮らしの部屋を訪ねてきた桂一を見つける場面ですね。しばらく会えなかった2人がようやく再会……という第3巻のヒキ。それでは、待ち遠しかった最新第4巻の見どころをご紹介ください。
茜田 第3巻で桂一がひたすらぐだぐだしていたのでやっと話が動くといった感じです。再会した晃と桂一がどうやって2人で生活するようになっていくのか少しずつ進めていってます。この先、珠希や剛くんの話も描きたいですが……やはり桂一と晃の新生活に力を入れたいですね。
――待ってました! ところで、このタイトルにはどのような想いがこめられているのでしょうか。
茜田 そのまんまですが「佳き日」というのがどの部分になるかはおいおい描ければと。
――『このマンガがすごい!2017』オンナ編第13位ランクインについてのご感想をお願いします。
茜田 たいへん光栄です。あまり順位などに踊らされないようにしたいと思いつつ、読んでくださった方がいることが実感できて、とてもうれしかったです。ありがとうございました。
――先生ご自身が、読者からの反響などで、意外に思ったことはありますか?
茜田 女性向けのつもりで描いていたので、案外男性の方にも読まれてると知った時は驚きましたが、うれしかったです。
取材・構成:粟生こずえ
■次回予告
次回のインタビューでは、知られざる茜田先生の幼少期の話から漫画家デビューにいたるまでのお話をたっぷりうかがいました!
さらに『さらば、佳き日』のなかで、晃にとって大事な思い出の“あのスイーツ”のルーツも明らかに!
インタビュー第2弾は11月30日(木)公開予定です! お楽しみに!