キャラクターの行動には必然性を出したい
――「ぽっちゃりマニア」という嗜好を持つイケメン・田上くんのキャラもそうとう画期的です。とはいっても、外見が好みならだれでもいいわけじゃない、そこの部分もしっかり描かれていますね。
平間 「ぽっちゃりが好き」と公言していることで「残念なやつ」なんて言われていたりする。でも、そういうことを気にせず、自分に正直に生きている子ですね。愛情表現は非常にストレートで、臆面もなくしょっちゅう紬に触りまくっています(笑)。
――『ぽちゃまに』において「触る」は重要なキーワードですよね。ずっととまどっていた紬も「触られてうれしい」という感情を表していますし。
平間 ついこの間聞いたんですけど、女の人って抱きしめられると安心して、男性は抱きしめると性的興奮を覚えるんですって。
――なるほど……。
平間 これを知って、自分の描き方は間違ってなかったんだなと。少女マンガではつきあっていくうちに「触れ合う」のは当たり前ですが、私には2人がそうする理由が必要だった。それで、田上の愛情表現がぷにぷに触りまくることにしたんです。
――そして、一方の紬は触られることで、恋のときめきだけでなく肯定感を感じるという構図ができているわけですね。
平間 このマンガに未熟なところはたくさんまだあるかと思うんですけど、このあたりはうまいことハマってくれたなと思っている部分です。
――2人は今のところキスまでですよね。
平間 少女マンガなので、そこはまあ……(笑)。
――でも、たとえばひざまくらのシーンなども、この2人ならではのイチャイチャ感が楽しめます!
平間 狙っているわけではなく、キャラクターの性格とシチュエーションをかけあわせていくと自然にこういうシーンが生まれてくるんですよね。
――田上くんはいわゆるオレ様キャラとも違いますよね。「本当はもっと近づきたいのを我慢してる」とハッキリ言っているのも、少女マンガで珍しいタイプでは。
平間 甘えん坊なんですよね、この子は。
――ツンデレでもないし、デレデレですかね?
平間 年下ってこともありますが見事にデレデレですね。あまり表情を変えないところはツンっぽいけど、本音ダダもれですからね(笑)。