次回は長期連載もの!? 描きたいことはたくさんある
――先生、けっこうファンタジーがお好きなんですね。
大今 やりたいです。
――やりたいですか。
大今 やりたい……けど……、難しいです。ルールが広すぎて。何か縛りがないと、読者も何を手がかりに読んだらいいかわからないんじゃないかと思うんです。それに私は、テーマがないと描けない。「テーマなしで自由に描いてください」とか言われると、全然マンガ描けないと思う。何を考えたいのか、何を伝えたいのか、を決めなきゃいけません。
――次回作はファンタジー?
大今 はい。いや…うーん…どうだろう。まだ自分のなかで、次やることが育ちきっていないので、断言はできないです。
――『聲の形』は7巻でまとまりましたが、次回作はもっと長いのでしょうか。
大今 読者の方に描くことを許されるなら、長く描いてみたいです。描きたいことはたくさんあるんです。
――連載開始が楽しみです。
大今 私、ネームに時間がかかりすぎるんですよね。いや、作画も時間かかってるんですけど……。もっと丁寧にネームも考えたいし、もっと描き込みたい。早く連載を始めたい気持ちの一方で、できるだけ長く準備期間がほしいとも思ったり……。
――時間がかかるのも当然です。週刊連載でこの密度はすごいですよ。
大今 今コミックスって450円くらいしますよね? 値段、すごく気にするんです。「週刊少年マガジン」の読者は学生が多いので。だから映画1本見るくらいの密度はやりたいんです。私、ネームの時間かかるほうですよね?
担当 (苦笑)
大今 やっぱり……(苦笑)。
――いろいろとお話をうかがってきましたが、かなり読者の反応を気にされてましたね。
大今 そうですね、読者の声を聞くことも目的でこの作品を描いていたようなものですから。感想を書いてくれる方には、本当に感謝してます。
――感想はどこで見ます?
大今 編集部に送っていただいているお手紙と、ネットですね。お手紙には本当に勇気づけられるので、これまでいただいたものは全てとっておいてあります。ネットで感想を読むのは、ひとりごとみたいな、むきだしの感想も聞きたいからです。Twitter、2ちゃんねる、4chan、ふたば☆ちゃんねる……。
――かなり見てますね(笑)。では最後になりますが、『聲の形』はついに完結を迎えました。読者にひと言お願いします。
大今 読者のみなさまにこのマンガを育てていただきました。ありがとうございました。
――連載終了、本当にお疲れさまでした!
取材・構成:加山竜司
撮影:辺見真也